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常識を疑うことから始まる支援

障害福祉に関わるようになって今年で丸11年。一貫して就労支援です。この11年間だけ見てみても、障がいがある人たちの働く環境は大きく変わっていますし、就労移行支援の利用者にも変化が見えてきました。特に感じられる変化は、発達障害の増加や「障害者手帳」を持たない、いわばグレーゾーンの方の相談や利用が増えてきていることです。

これには医療面や教育面の変化など様々な理由が考えられますが、働く環境が変化してきていることも1つと考えられます。ある人にとっては働きにくくなっている面があるのでしょう。
例えば、以前は単純労働だけだった業務に、人とのコミュニケーションが求められたり、人との関わりのなかで働くことも増えてきました。製造部門なども海外に移転していますし、昔に比べて力を発揮できる業務は少なくなっているのかもしれません。
しかし、障がいがある方を雇用する企業は増えているし、障害者差別解消法で合理的配慮義務が企業に課せられたたりと障がいがある方の働く環境は改善されてきていると思います。我々就労移行支援の仕事というのは、就労に必要なノウハウや知識を障がいのある方に伝えるだけではなく、雇用する企業側にも必要なノウハウや情報を伝えて働きやすい環境作りをしていくことも重要な任務になります。

そこで改めて思うことは、障がいとは何だろうということです。例えば、障がいのある人が会社に入ってきて、その人とのコミュニケーションがうまくいかずにチームの和が乱れてしまったとします。それはやはり受け入れる側にも問題がある。つまり企業側にも「障がい」があるわけです。しかし、障がいというレッテルが貼られるのはいつも弱者のほうばかりなんです。

人には得意なことと不得意なことがあります。当然わたしにも不得意なことがあります。特性といっても良いかもしれません。それを「障がい」というのなら、わたしにも障がいがたくさんあります。これだけコミュニケーション社会になった今、障がいではなく、特性や性格、得意不得意としての理解しかなければ、多様性を認め合う社会にはならないでしょう。学ばなければならないのは、私たちのほうかもしれません。

 

—常識を疑うことが多様性を認め合うことの源泉—

自分たちのコミュニケーションが不全に陥っていないか。自分で確認していくためにわたしが心がけていることがあります。それは「常識を疑ってかかる」ということです。会社ではこうだ、一般的にはこうだという常識を持ち出すのではなく、目の前の人に向き合うことが一層求められているような気がします。社会に出ると、どうしても常識や慣習に当てはめてしまうのですが、それが生きづらさも生んでいるような気がします。

その常識を疑ってみると、就労移行支援にも幅が出てきます。
例えば、働くなら正社員でなければならないわけではない。場合によっては日雇いの仕事でもいいし、アルバイトのほうが自由がきくかもしれない。大事なことは、本人たちのベストな働き方を見つけることなんです。スーツを着てする仕事がいいのか、作業服がいいのか私服がいいのか。「こうだ」と決めつけないこと。それを意識しています。

人の出会いも同じかもしれません。常識を取り払って、多様な人たちと出会っていく。そこで大きく人生が変わることがある。わたしは以前、市内の別の就労移行支援の事業所で働いていました。その時に出会ったのが熱い想いを持ったソーシャルデザインワークスの北山さんでした。そもそも以前の会社を辞めることは考えていなかったのですが、誰といつどんな出会いをするかで人生が大きく変わってしまうんですね。

ソーシャルスクエアとは社会の広場です。様々な人たちがやってきます。
そこでの出会いが人生を大きく変えてくれる。その面白さや喜びを多くの人たちと分かち合いたいと思っています。ソーシャルスクエアでの出会いが人生を変えてくれた。そんな人たちをこれからもどんどん生んでいきたいですし、それが目に見えて感じられるのが今の仕事なんです。常識にとらわれない出会いの場を、これからも創り続けていきたいと思います。

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NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。