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異なる意欲や目標を結びつける運営を

全国障害者就労支援ローカルネットワーク研修会in福島 特別収録

ここでは、8月初旬、ソーシャルスクエア内郷で開かれた「全国障害者就労支援ローカルネットワーク研修会in福島」において、全国で就労支援に関わる方々からお話頂いた内容を抜粋してお送り致します。それぞれの地域で就労支援に関わる人たちの生の声をご覧下さい。

異なる意欲や目標を結びつける運営を

橋本 芳武さん

社会福祉法人福音会(福島県須賀川市)

 

須賀川にあります社会福祉法人福音会です。3つの施設と1つの老人ホームで社会福祉法人を形成しています。ワークセンター麦には、平成28年現在で、B型事業所が42名、移行事業所は4名の方が契約されています。当然1つだけではできないことがいっぱいあるので、ネットワークに関わらせてもらっています。福島就業支援ネットワークさん、全国JCネットさん、社会福祉協議会さんなど、繫がっていろいろな連携をさせてもらっています。

利用者さんの形態も様々です。週2日の方もいれば5日もいる。障害の重さも人それぞれです。企業からの下請けなどもあります。作業場は、発達障害の方も多いので間仕切りして個別でやったり、集団でやったり、障害の特性などに応じて工夫をしています。飲食店の営業もしています。お弁当などもやっていますし、土日などを中心にイベントでの販売などもしています。シバザクラ祭りとか、保育園の夏祭りとか、企業さんとか、そのようなイベントに出て販売をしています。

施設外就労もしております。例えば、発泡スチロールの印刷と梱包の仕事ですと時給が1,000円近くもらえます。委託作業も行っていまして、福島県ならではの仕事ですが、米の放射性物質を計測する全袋検査を任されています。昨年も7万俵、14万袋の検査を行いました。一番働いた方だと月に13万円くらいの給料になります。それから園芸農家さんの土づくり、カップに土を入れたりという、季節性の仕事です。通年ではないのですが、そのような仕事も任されています。

―障害の特性に合わせた「働き方」を

発達障害の方も多いのですが、施設全体を構造化して、視覚的情報を多くして、センター内の施設や業務をより良く理解してもらうための工夫をしつつ、安心して利用してもらいたいと思っています。当然、B型は完全時給制です。時給は157円でやっております。一番長い人で週に7時間働いている人もいます。働く時間は本人たちに決めてもらいますが、少ない人でも4時間働いてらっしゃいます。それぞれ働く時間によってお給料も違ってきます。年間で5日間の有給もあります。それを利用して、お給料を出しても休めるという制度そのものを勉強してもらったり、通院したり自分の時間に使ってもらっています。

仕事に関しては、「作業指示書」というものが出ます。一時間当たりどのくらいやればいいか、達成したかしないかを記載してチェックするんですね。自分がどのくらいできたかがわかるので、それを目安に働いてもらいます。目標は達成数量の80%。達成した人は賞状がもらえたりする仕組みになっています。

私たちは、就労移行支援とB型の多機能なので、即、お互いの連携ができます。就労移行と連携することで、例えば企業の見学、体験ができるようになります。大事なのは、本人が納得して自信がついたところで、B型から就労移行の環境に入っていくことです。どうしてもためらう方もいらっしゃいますし、中にはタイミングは早いという方もいます。でも、再チャレンジできるということも大事なんですね。もう一度B型に入っていってもいい。そのような選択肢を提示するということだ大事だと思っています。

―求められる「定着支援」の充実

B型には、来ることが目的だという方がいます。なかなか一般企業まではいけないと考えている人ですね。しかし一方では、ここで自信をつけて一般企業に入りたいという人もいるわけです。2つの目標を持った人たちが混在していますから、お互いに良いところを引き出し合えるような運営が求められます。そこで重要なのが定着支援です。

例えば、最近ではOBやOGたちによるセミナーや勉強会も行われています。卒業生にとっては、働き始めた後でも帰る場所があるということが重要ですし、利用者にとっては、就職した先輩たちからいろいろなことを教えてもらえます。自分たちと悩みを共有できる人たち同士でネットワークができることが、安心に繫がるんです。

施設が「再チャレンジの場」でもある、それも重要です。例えば、B型から移行に、移行から企業にということで、すべて順調にステップアップできれば良いですが、すべてがそうとは限りません。挫折したり壁に当たったりするわけです。戻ってきても良い、「やり直せる」ということが安心に繫がります。すべては、利用者が安心して「働きたい」という意欲を持てることが重要です。そのためにも、今後ますますネットワークを活用して、利用者の働く意欲を高めていきたいと思っています。

 

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NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。