OLYMPUS DIGITAL CAMERA
CREW's VOICE

障がいではなく、人に向き合う

小学校くらいの時だったか、養護学校との関わりが少しあって、障がいを持った人たちと接する機会が何度かありました。今思い返せば、子どもの頃は「自分と違う」、「何か変だな」って少し怖がっていたような気がします。でも、そうなってしまうのは、自分が障がいのことも、障がい者のこともよく知らないからなんだと、今は改めてそう感じます。

自分とはここが違うって、その違いがクローズアップされて、違いばかりがどんどん大きなものに見えてしまいがちですが、もともと障がいの有る無しに関わらず、人には個性があるし、すべてが完璧な人なんていません。できない部分はできるように、できるもの、得意なものはもっとそうなるようにしたい。あるのは、できない部分の大小があるだけなんです。

いきなり「障がい」と聞くと、その障がいの中身ばかりに目がいってしまいますが、例えば同じ障がいだったとしても、考え方も行動の仕方も人によって大きく違います。結局、障がいの有る無しや障がいの中身ではなく、どれだけその「人」と向き合うかなんだと思います。だから私たちの仕事は、障がいに向き合うというより、人と向き合う仕事だと思っています。

この人はどんな人なんだろう。どんなことが得意で、どんなことが不得意で、何が好きで、どんな人生を歩みたいんだろう。向き合うべきはそこで、もちろん専門的な知識や情報は知っておくべきですが、最後は人。そう考えられるようになってから、すごく楽になったし、仕事にもやりがいを感じられるようになった気がします。

 

―人に向き合うことを通じて得られる成長

大阪から、父の実家のあるいわきにやってきて、最初の頃は受付事務の仕事をしていました。働く意味もよくわからず、ただニコニコして、ひたすら与えられた仕事だけをやって、自分の人生が1時間でたったの690円で売られていくような、そんな気持ちになって。それで自分の成長を実感できる職場で働きたいと思って、保険の会社に就職したんです。

その時でした、人と向き合っていく仕事が合ってるなって思ったのは。保険の仕事は、その人の人生と向き合う仕事です。結婚、出産、お子さんの成長、病気や家族の死にも向き合います。人生のステージを想像して、そのご家族の人生に寄り添いながら、最善の保険を提案していく。お客様の人生をサポートすることを通じて、自分も成長を実感できる。そんな仕事でした。

今の仕事も同じで、その人と向き合い、人生をサポートする仕事です。それに、今のほうがより成長を実感できる職場だと感じています。初めての職種なので、会社の皆さんにはずっと迷惑をかけてきましたが、ようやく、今度は少しずつ会社に貢献できるんじゃないかなって、そういう実感を得られるようになりました。正直に言えば、経験豊富な他のクルーに比べて、私は特にこれといって秀でた部分があるわけではないのですが、でも逆にいえば、これからどこにでも行けるっていうことだし、今はチーム内での役割に徹しようと思っています。

いわきは、なにごとにおいても選択肢の少なさが問題としてあると感じています。そしてその選択肢の少なさは、障がいに対するまなざしと同じように「知らない」ことが原因になっている部分も多いと思うんです。こういう道がある、こういう生き方がある、こういう場所がある、というように、私たちがこの仕事を通じて社会に対して多様な選択肢を示していくことも、大事な仕事ではないかと感じています。

正直私自身にも課題はたくさんあって、偉そうなことは言えないんですけど、誰かの人生をサポートする中で、貪欲に色々なことを学ばせてもらいながら、社会も自分も、選択肢が広がって、少しずつ成長していければいいかなと思っています。

SOCIALSQUARE
SOCIALSQUARE
NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。