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CREW's VOICE

障害という個性を活かす

川野 湧哉

SOCIALSQUARE|西宮店 クルー

ソーシャルスクエアという地域に開かれた「現場」で、障害福祉に関わるスタッフは、どのような問題意識を持ち、あるいはどのような理想を掲げて支援を行っているのか。その声を紹介していくのが「Crew’s Voice」のコーナーです。

今回は、老人介護のデイサービスでの仕事を経験し、この春からソーシャルスクエア西宮店のクルーとして入社した川野湧哉のクルーズボイスです。自らも障害を持ち、誰かに支えられながらも同時に誰かを支えてきたという川野の、仕事に対する思いを聞きました。

 

-障害という個性を生かす

ソーシャルデザインワークスに入社する前は、老人介護のデイサービスの会社に勤めていました。業務内容はリハビリやマッサージなど、機能訓練の仕事をしていました。ぼく自身、視覚に障害がありますし、家族にも目の悪い家族や発達障害を持った家族がいるんです。だから、自分や、自分の周りの人間が生きやすい社会になればとずっと思ってきました。障害を持った家族を持つ人たちのしんどさも見てきたので。

3月からスクエアに来ています。先輩と支援学校に挨拶に行ったり、色々教えてもらいながらなので、今は仕事はとても楽しいですよ。こういう仕事って、普通は健常の人が障害を持った人をサポートする、というイメージを持たれていると思います。ただ、実は、障害を持っている方は、健常者にケアされることに抵抗があるという人もいます。だから、障害があるもの同士が助けあうということがあってもいいと思うんです。そこはぼくの強みにしていきたい部分ですね。

学生の頃は、目の障害のことでいじめられたこともありますし、そのほかのいじめの現場を目の当たりにしたこともありました。結局、その人への支援を続けても、周囲の目や偏見や、障がいのある人たちを受け入れる力みたいものに左右されてしまうというのが現状です。ぼくの場合は、目の障害なので、どういうところに苦労するのか、どういうことを欲しているのか、自分たち自身で発信していかなければいけないと思います。もちろん発信できない、伝えられない人もいます。その辺りをちゃんと発信して対応できる仕組みを考えたいなと思っています。

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-障害があるから助ける、ではない社会

まずは就労移行支援を頑張っていく、ということが大前提ですが、いろんな会社を開拓したいと思っていますし、いわきで展開している「ごちゃまぜイベント」を西宮でもやりたいと思っています。障害を持った人に対する支援も重要ですが、結局は、障害を持った人たちを受け入れるのは社会なので、そちらの方も、受け止める力が育ってこないといけませんよね。

明確なビジョンがあるわけではないのですが、障害の有無ってあまり関係ないんじゃないかって思うんです。例えば、目が悪いぼくがいる。そしてぼくが困っていて、助けを呼んだとする、でも、それは目の障害を持っているぼくが助けられるのではなく、シンプルに「何かで困ってる人」が助けられるってことだと思うんです。

今はまだ誰もが「障害」を見てしまうんだけれど、本当に必要とされる社会って、困ってる人が助けられる社会とか、助けてほしい時に誰かに助けてもらえる社会だと思うんです。自分の友達が落ち込んでたら「どうした?」って声をかけるじゃないですか。それと同じように、障害を持った人たちも特別な感情なく助けてもらえて、そして、障害のある人も誰か困ってる人を助けることができる。そういう社会が理想かなと思っています。

そのためにはまだ「障害」という言葉を使っていかなければならないのかもしれないけれど、本当はそんな言葉はない方がいいじゃないですか。車椅子だから、白杖持ってるから、じゃない。障害が理由で助けられる社会から、もっと誰もが助け合える社会にして行くために、西宮からごちゃまぜの社会を作っていけたらいいですね。

 

profile 川野 湧哉 Yuya KAWANO
1991年生まれ。幼少期に網膜色素変性症と診断され、視力が低いほか、視野狭窄、夜盲、というスペックを備える。高校から神戸の盲学校に通い、卒業後はマッサージや鍼灸の勉強し資格取得。介護施設にてマッサージやリハビリの仕事を経験してきた。その傍ら、知人のエステサロンにて美容鍼灸などを提供する活動にも取り組んでいる。2017年4月より西宮店クルーに。

 

SOCIALSQUARE
SOCIALSQUARE
NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。