「まち」や「ひと」との関わりが、福祉に変化をもたらす

勤続2年目、この春から新しくソーシャルスクエア西宮店のスクエアマネージャーになった柳橋達郎。福祉に携わるようになったきっかけや、今後の西宮店の展望について話を聞きました。

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柳橋達郎

ソーシャルスクエア 西宮店 スクエアマネージャー

ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で、障害福祉に関わるスタッフは、どのような問題意識を持ち、どのような理想を掲げて支援を行っているのか。クルーにインタビューをしてその声を紹介していくのが「Crew’s Voice」のコーナーです。
今回紹介するのは勤続2年目、この春から新しくソーシャルスクエア西宮店のスクエアマネージャーになった柳橋達郎。福祉に携わるようになったきっかけや、今後の西宮店の展望について話を聞きました。

デザインから福祉へ

2017年10月にSOCIALSQUAREのクルーとなり、現在まで、主に生活支援員として自立訓練を利用される方たちの支援に携わってきました。この4月からは西宮店のマネージャーとして、利用者のみなさんに適切な支援が行き届いているのか、職員が働きやすい環境が整備されているのかといった、事業所内の日々の様子を把握することに努めています。

学生時代からグラフィックデザインを専門とし、デザインを通じて社会との関わりを持ってきました。それに加え、国内外で大学教員を勤め、さらに博士課程において研究を続ける日々を送っていました。「地域を象徴するデザイン」をテーマに扱っていたのですが、研究を重ねる中で、まちの仕組みやシステムづくりに興味を持つようになりました。そうした過程を経て、出会うべくして出会ったのがソーシャルデザインワークスでした。

以前より、福祉におけるデザインの必要性について、課題を感じていました。また、「まち」や「ひと」との関わりに対し、閉塞的なイメージも少なからずありました。ただ、いざ関わってみたいと思っても、多少なり、資格というハードルは存在したかもしれません。ですがソーシャルデザインワークスにはこれまで福祉に携わってこなかった人でも積極的に受け入れようとする態勢がありましたし、一般的な福祉に対するイメージとは異なる雰囲気があったので、自分の経験やスキルを活かしながら働けることが直感的にわかりました。

障害者福祉と聞いて浮かぶイメージは、前職の経験もあり、どちらかというと入所施設のイメージがありました。実際に働いてみると、ソーシャルスクエアのような通所型の事業所では受ける印象が全く違いました。

支援の現場も一人ひとりの言葉に耳を傾け、自然なコミュニケーションをとっていくことを大切にできる場所だったので、閉塞的な感覚も抱いていません。支援するというよりも利用者の方たちに「関わる」というスタンスで、日々の営みが続いている気がしています。

ありたい自分を目指し、そして社会へ

ソーシャルスクエアに携わるようになってから、ここに来なければ出会えなかったであろう人たちと関わりを持てていることが嬉しいです。個性あるメンバーの方ばかりで、一人ひとりの個性を発揮して、自分たちのやりたいことを実現していってもらいたいなと日々、支援内容を考えています。

西宮店では『SQUARETIMES』という事業所内小冊子を3ヶ月に1度発行しています。記事は全てメンバーのみなさんに書いてもらっていて、それぞれが好きなことを自由に表現しています。
もともとは、利用しているメンバーがそれぞれどんな活動をしているのか知りたいという声があがったことが始まりですが、自ら他者に発信することが苦手な人にとっても、安心して自分の趣味や取り組みを紹介するきっかけになると考えました。新たなコミュニケーションツールをつくるという目的で、支援プログラムの一環として取り入れ、活動が定着してきています。

自分の作品が印刷物になるという喜びを感じられることや、一緒に過ごすメンバーたちの意外な一面が見られることはもちろん、成果の一つとして挙げられます。現在『SQUARETIMES』は第6号まで続いているのですが、何回も参加されている方は以前の記事を見返してみると、その時の気持ちや状態を振り返ることもできるという効果的な側面もありました。

そんな風にちょっしたきっかけを私たちがつくることで、自分自身でも成長を感じることができます。何気ないことが、各々のメンバーにとって大きな意義を持ち、感謝の気持ちを伝えてくれることも多々ありました。

先日もソーシャルスクエアを卒業して、別の事業所へとステップアップしていった方がいるのですが、通所最終日に「ここで過ごすことができてよかった」「自分が変わることができた」という言葉をもらえたことは、心に響きました。支援者としてだけでなく、一個人として関わることができてよかったなと感じられた瞬間でした。

その方に限らず、満足した顔や活き活きとした顔でソーシャルスクエアを卒業していく方を見ると、自分たちがしっかり関わることができたこと、社会や地域に送り出せたということを再認識できるので、感慨深いものがあります。

私たちが提供する就労移行支援・自立訓練という障害福祉サービスには、2年という利用期間があります。有期限の福祉サービスであるがゆえに、目指すべきゴールを意識できることは良いことだと思っています。

もちろん決められた期間の中で支援していくのは簡単なことではなくて、なかなか私たちの意図が伝わらない時や、もっとこうしたらいいのにという気持ちを受け取ってもらえない時は、もどかしさも感じます。でもその人にしかわからない感情があって、その部分をどのように私たちが理解し、汲み取っていけるのか。それがこの仕事の難しさであり、醍醐味でもあるなと感じています。

福祉と「まち」を繋ぐ

今後の西宮店の展望としては、クルーそれぞれが力を発揮して、やりたいことや思い描く支援を実現していけるというのが理想です。
例えば、今後実現したいことの一つの例として、私自身、「メンバーの皆さんと一緒にリレーマラソンに参加してみたい!!」と、入社当初より口にしています。その経験がどのようにメンバー支援に繋がるのか、結果に結びつけるのかが当面の課題です。

そして、地域との関わりももっと増やしていきたいです。最寄駅の周辺や、近隣の高架下にある商店街に足を運んでみたり、特産品や伝統工芸といった西宮のオリジナルに触れてみることも、ソーシャルスクエアが地域に必要な場所となるためには重要な取り組みのひとつです。

母校のデザイン研究室が京都の錦市場と提携して、商店街の各店舗に手ぬぐいをプレゼントするというプロジェクトを何年も継続しています。手ぬぐいの柄も、お店へのインタビューを元にした、各店舗に合ったオリジナルのデザインが考えられており、商店街活性化の気運を後押しする取り組みになっています。西宮店でも、そうした地域との関わり方を参考に、「まち」と繋がる福祉を創造できる場所でありたいと思っています。地域へ働きかけるためには、他の福祉事業所などとの協力関係も必要だと考えています。

法人名にも「ソーシャルデザイン」という言葉が使われていますが、最近は社会の中でデザインという言葉が思考や仕組みといった「モノ」以外にも使われることが浸透しているように感じています。

社会の仕組みをつくるとか、目に見えないソフトの部分をどう動かすかということに関してとても取り組みやすい時代背景になった今、ソーシャルスクエアが社会と繋がれる場になるためにデザインがどのように貢献できるのか、これからもその在り方を追求していきたいと思っています。

 

PROFILE
柳橋達郎
柳橋達郎

柳橋 達郎(やなぎばし・たつろう)
SOCIALSQUARE 西宮店
スクエアマネージャー/ソーシャルコーディネーター/デザイナー
滋賀県出身。グラフィックデザイナー、元大学教員。保育士養成校において、幼児教育・障害者福祉の分野に携わった他、海外においてデザイン教育に従事した。法人内におけるデザイン業務も担当。地域へ繋ぐ福祉とデザインの在り方を追究。

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