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CREW's VOICE

自分の言葉で語り、伝える

先崎 絵里香

SOCIALSQUARE|いわき店 クルー

ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で、障害福祉に関わるスタッフは、どのような問題意識を持ち、あるいはどのような理想を掲げて支援を行っているのか。クルーにインタビューをしてその声を紹介していくのが「Crew’s Voice」のコーナーです。

今回は、2017年4月から、ソーシャルスクエアいわき店のクルーとして自立支援にあたる先崎絵里香の声を紹介します。入社して半年。「福祉」に対する考え方が変わったという先崎。何が彼女を変えたのか。学生時代を振り返りながら、語ってもらいました。

-既存の福祉に対する違和感

スクエアでは自立訓練の担当しています。大学の頃は教育学を専攻していて、実は福祉についてちゃんと勉強したことはありませんでしたが、実は、バイトで障害児を預かる事業所で働いていたことがありました。ただ、そのバイトで福祉事業所に対する違和感を感じていて。でも、スクエアは自分持っていた福祉事業所のイメージと完全に違っているので、毎日の仕事が本当に楽しいです。

ここで働く前は、福祉と聞くと「障害者とか高齢者を介護する」というイメージを持っていました。そこで働く人は施設に入って世話をして、利用者は施設に入って運動したり作業したり、そこで暮らしたりっていう。就職活動のときに、ほかの福祉系の事業所も見させてもらったんですが、そこはイメージ通りで、なんというか利用者を閉じ込めているような印象を受けてしまいました。

さっきお話ししたバイトというのは、障害児のお預かりサービスのアルバイトだったんですが、そこでも似たような違和感を感じていました。スタッフ、保護者の皆さん、ああしろこうしろと細かく子どもに指示をしていて。確かに教育することは大事なんだと思いますが、子どものああしたい、こうしたいっていう気持ちは聞こえているのかなと思っていました。

福祉を専門にしてきたわけではありませんが、障害を持つ人や高齢の方が、上から何かを強制されるのではなく、その人自身が尊重される生き方、尊厳が守られる生き方っていうのがあるんじゃないかと、ずっと疑問に思っていました。それが福祉への興味になり、その延長でスクエアに入ったという感じです。

 

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 ―1人の対等な人間として関わる福祉

スクエアは、改めて地域や社会に開かれている場所だなと感じます。まず閉ざされていないんですね。障害の有無や福祉関係者であるかなんて関係なく、たくさんの人たちがやってきます。グリーンバードいわきチームの活動や、ごちゃまぜベントの企画などもあるので、休日も、いわゆる福祉業界の外の皆さんがたくさん関わってくれます。そして、そういう環境のなかに身を置いて、自立したい、働きたいというメンバーさんが日々スクエアを利用しに来る。だから皆さんの気持ちが常に外に向いているんです。その気持ちの向き方、開かれ方が、私の知っている福祉事業所とは全然違ったんだと思います。

日々の業務のなかで意識しているのは、メンバーさんの変化に敏感でいたいということです。最初は分からないところからスタートしたので、4月以前にどういう状況だったか分からなくて。そこが分からないので、どう未来を描いたらいいかが分からない。すると、今何をすべきかも分からない。

その人自身のことが分かると、将来の見通しも出てきますが、その人自身のことを知るためには、信頼がなければいけません。できるだけ「支援者」にはならずに、対等な1人の人間として語るように心がけています。何かのアドバイスを求められても、素直に今の自分を出せるようになりました。「支援者からこう導こう」というのでは、やはり考えも凝り固まってしまうような気がします。

 

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働くことを諦めない、そんな皆さんと接してきたせいか、私自身も働くってなんだろうっていうことを前より考えるようになりました。私は、将来的には結婚したり出産したりして、働くことを中断せざるを得なくなると思うんです。周囲に話を聞くと「子どもを生んだら働かなくても良い」とか「なんで働きたいの」なんて言う人もいて。でもそういうなかで、やっぱり自分は仕事を通じて生きがいや存在価値を見出したいんだ、って強く思うようになりました。その意味では、メンバーさんに問いを与えてもらったという感じですね。むしろ私が学ばせてもらうことのほうが多いかもしれないです。どちらが支援されているのか分かりませんね。

今では、仕事について質問された時にも「あなたはどうしたいのか」ってことを無意識に話すようになっています。誰かに行動を限定されたりせず、これがいいんだなんて決めつけられることなく、個としての自分はどうありたいのか。常にそこが問われているのだと思うので。これかも、支援者ではなく、1人の人間として、すべての人たちと接していきたいと思いますし、それを楽しんでいきたいです。

 

profile 先崎 絵里香 Erika Senzaki
福島県小野町出身。大学で教育学を専攻し、小学校の教員免許を取得。在学中、障害児をお預かりするアルバイトをしたことがきっかけで、健常者と障害者の格差に違和感を感じるようになる。大学卒業後、ソーシャルデザインワークスに入社。現在は自立訓練を担当し、「違うことが当たり前」な社会になることを目指して、日々支援に取り組んでいる。

SOCIALSQUARE
SOCIALSQUARE
NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。