CREW's VOICE

多様な選択肢で可能性を広げる。

佐々木俊輔

ソーシャルスクエアいわき店 ソーシャルコーディネーター

ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で、障害福祉に関わるスタッフは、どのような問題意識を持ち、どのような理想を掲げて支援を行っているのか。クルーにインタビューをして、その声を紹介していくのが「Crew’s Voice」のコーナーです。

今回は、2年ぶりの登場となるいわき店のクルー、佐々木俊輔へのインタビューです。入社4年目。様々な業務や出会いを経て得られた変化にフォーカスしました。「ごちゃまぜ」の活動は、それに参加する地域の人たちだけでなく、そこで働く人たちにも、小さからぬ影響を与えているようです。

−だれかへの支援で、自分も変化する

2年前から自立訓練に関わっていますが、就労移行に比べ、自立訓練のほうはまだまだ自分の気持ちを伝えるのが難しいとか、そもそも自分が何をしていけばいいのかすらわからないとか、仕事を得る以前のところでつまずいてしまっている人がいらっしゃいます。そういうときに注意しなければならないのは、言い切らないこと。考えを押し付けるのではなく、選択肢が広がるようなコミュニケーションを心がけています。

こういうルールなんだとか、社会とはこういうものだ、ではなく、私ならこう考えるとか、こういう考え方もありじゃない? こんな可能性もあるよと、考えの幅が広がるような提案というか、メンバーさんのヒントになるようなことをできるだけ提案したいと思っています。決めるのはメンバーさんです。でも決めるときの選択肢は、周囲が増やすことができる。それがいま心がけている支援ですね。

そういうコミュニケーションを心がけてきて、実は、私自身が、人と話すことが苦痛ではなくなりました。もともと人と話したり、考えをきちんと伝えるということに苦手意識があったんです。「これだ」という言い切りのコミュニケーションではなく、こういうのもありという選択肢提示のコミュニケーションだからこそだと思っています。話を聞くことに徹していたら、いつの間にかコミュニケーションの苦手意識がなくなりました。

それから、以前は正直プロ意識に欠けていたと思います。ここを利用するメンバーさんは、当然私たちを「プロの支援員」として見ています。そこに新入社員も1年生もベテランも関係ない。多くのメンバーさんにとって、私たちは初めて接する法人組織です。もし私たちがダメだったら、一般の企業もそういうものだと思われてしまう。ですから私たちは余計にしっかりしないといけないと思います。若者言葉とかを思わず使ってしまいそうになりますが、最近はようやくその辺りにも意識を向けられるようになりましたね。

−子どもたちへの目線

法人に入って、自然と「ごちゃまぜ」の活動に関わるようになり、子どもたちの存在を意識するようになりました。「ごちゃまぜ」は、20年後の現状、つまり20年後に大人になる子どもたちにフォーカスしています。実は私自身も影響を受けてしまって。将来は、子どもたち向けのプログラミングのイベントなどもやってみたいと思うようになりました。

子どもって関心がとても強くて、初めて何かを知った時の吸収力がものすごいんです。もともと子どもがあまり好きな方ではなかったんですが、ごちゃまぜイベントで子どもと接するようになって考えが変わりました。やっぱり子どもってすごく可能性がある。だからこそ大人になってからではなく、やっぱり子どものうちの環境が大事だなと思うようになりました。

ちょうど2020年からプログラミングが子どもたちの必修科目になりますよね。これまでに学んできた「ごちゃまぜ」のエッセンスを取り入れつつ、プログラミングのイベントとかができたらとてもいいなと。私も中学生の頃にプログラミングを知ったんですが、当時は自分で動かしてから幾つかの工程を進めないと結果が分からず時間がかかりました。それがモチベーションを保っていくことが大変で挫折してしまって。今では自分で打ったコードの結果を同じ画面でプレビューで見れたりなど、オンラインで学習できる環境が整ってきてると思うんです。

それに、私たちは「ゆとり世代」のど真ん中で、「これだからゆとりは・・・・」なんて実際に言われたことはありませんが、ネットではちょくちょく言われているのを見かけます。ゆとりというワードを見るようになってから「私たちはダメな世代かもしれない」と自己暗示のようにネガティブに考えるようになっていました。今の子どもたちにはそういう思いをさせたくないし、自分自身も、地域の人たちや子どもたちと接するようになって、ちょっとずつ変わってきた気がします。

とはいえ、そういうごちゃまぜイベントの魅力を、ちゃんと伝えられているかというとまだまだ満足しちゃいけないなとも思っています。私たちのビジョンを達成するには、どうしたって地域の人たちの協力がなければ達成できませんし。ごちゃまぜの価値を丁寧に発信していきたいなと思っています。

−だれかの幸せが、モチベーションになる

ごちゃまぜイベントだけではなく、日々の業務の中にも達成感はあります。初めて担当した人の就職が決まった時には本当に嬉しかったですね。私たちの仕事って、自分たちが何かを達成した喜びよりも、メンバーさんの成長だったり就職だったり、メンバーさんができなかったことができるようになったときだったり、ほかの誰かの幸せを感じるときに達成感があるんです。

自立訓練を続けていると、1週間に1回しか外出できなかった人が毎日スクエアに来てくれるようになった、なんてことがよくあります。多くの皆さんにとっては外出なんて簡単なことかもしれませんが、ここに通所するみなさんは簡単ではない。それなのに、自分の努力でそれを克服しようとしている。それって、本当にすごいことです。見ていて本当にすごいなって思うし、私も頑張らないとって感じられるんですよね。

そこで大事なのは、「スクエアまで来てくれたこと」を評価できるかだと思います。1回も外出できなかった人が内郷まできてくれる。それってすごいことなんです。だから、まずはそれを評価して、その1回が2回になるように、趣味の話とかゲームしたりとか、とにかく楽しい時間を味わってもらう。また次も来てみたいなと思ってもらえるよう、色々なアイデアを考えています。

私たちの法人のビジョンに、すべての仲間の幸せを追求すると共に諦めのない社会を創る、というものがあります。「すべての仲間」ですから、メンバーさんやクルーだけでなく地域の人たちも含まれます。だから、もっと発信して、もっと関わる人が増えて、20年後、30年後の社会を想像しながら、自分も一緒に成長しながら、少しずつ地域をごちゃまぜにしていければと思います。

SOCIALSQUARE
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NPO法人ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉サービス店舗。 社会と現在の自分を結ぶための広場を創造することをコンセプトに、一人でも多くの生きにくさを抱える方々の心に栄養を、その先にある活力ある人生に貢献している。