学びたいという思いに応える

ソーシャルスクエアの現場からのクルーズボイス。今回は、豊富なキャリアで就労移行支援を牽引する吉田千尋からの寄稿。働くこと、学ぶこと。

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障害福祉に関わる仕事をしているのに、実は、障がいを持っている人たちの周りに居る人が嫌いでした。この子はこういう障害を持っているんだからと、何かにつけて先回りをして、周りの人たちがみんなやってしまうような光景をよく目にしていたんです。それは対等な目線で助け合うというより、上から目線で世話をしてやってるという感覚で。そういうのがとても嫌でした。
ソーシャルデザインワークスに入社するまでは、パソコン教室のインストラクターをしていました。その時にも、聴覚障がいを持つ方に対する教室をやったときがあるんですね。私の話を手話翻訳者の方が訳して受講生の方に説明してくれるんですが、受講生がうまくいかないと「私がやってあげるから貸して」なんて言って、手話通訳の方が全部やってしまうんです。
伝わらないのは、その通訳者の方にも問題があるはずなのに、「できないあなたがダメ」というような姿勢で、相手を下に見て、全部やってしまう。そういう時にすごく違和感を感じました。障がいというのは、その方の身体的な問題ではなくて、実は健常者の無理解や説明不足などによって引き起こされることのほうが多いんじゃないかって。だから今こうして、障害福祉の現場に飛び込んできたのかもしれません。
障がい者の雇用は進んできているのかもしれませんが、まだまだ企業側も「障害者が来る」なんて身構えてしまうところが多いように感じています。あの人は施設から来た・・・障がい者の手帳を持っている・・・そんな風にレッテルを貼ってしまうことも少なくありません。でも、受け入れる先が区切って閉じ込めてしまう。それは人間の癖なのかもしれません。もっと幼い時から、壁を取り払って、多様な人たちと触れ合える機会を設けていかないと、なかなか変われないかもしれません。

—自分で自分の可能性を狭めてはいけない

入社は2015年8月なので、まだまだ半人前。実際にわからないことだらけで、みんなに頼りまくっています。でも、私が年上のことが多いので、カリキュラム中は厳しめに。馴れ合いにならないように気をつけています。パソコンのインストラクターのときもそうでした。教える側と教えられる側、というように考えると、教える側が上のように思ってしまいがちです。でも、学びにきている人も、もちろんスクエアを利用してくれる人も、大人ですから。そこは対等に、そして丁寧に付き合わなければならないと思っています。
パソコンのインストラクターは、なんだかんだで20年続けてきました。ウインドウズの使い方、ワードやエクセルの使い方。本当に初歩的なところを教えることが多かったです。皆さん、やっぱり就職することに役立てたいとパソコンを習いに来ていました。就業支援という意味では、今も同じかもしれませんね。自分の力で仕事を得たい。もっと成長したい。いろいろな体験をしていきたい。そういう気持ちは、障害の有無は関係ありません。
パソコンのインストラクター以外にも、自宅で電話受付のアルバイトをしていたこともありました。俗にいうコールセンターの自宅版で、自宅で電話を受けて、様々なサービスを行う仕事なんですが、家を出ずに自分で目標を作って働くことができるという意味では、障がいのある方も、比較的に取り組みやすい仕事かも知れません。そのときの経験で、今も電話対応や接客のカリキュラムを自分で考えて提供しています。なんだかんだで、経験してきたことが今に繋がっているのかもしれませんね。
働くから資格が欲しい、という方は増えています。でも、大事なことは、資格をそのまま仕事にしなくていいということなんです。例えば、パソコンの資格を持っているからといって、パソコンの専門性を活かせる職場でなくていい。例えば看護師だったらどうでしょう。居酒屋でもいいですね。それぞれの環境で、そのパソコンの技術を活かすことができることのほうが大事なんです。自分で自分の可能性を狭めてしまってはいけないと思います。そんな思いも、これからのカリキュラムで伝えていけたらと思います。

PROFILE
吉田千尋
吉田千尋

吉田 千尋(よしだ・ちひろ)
SOCIALSQUARE 内郷店
スクエアクルー/PCインストラクター

1972年福島県いわき市生まれ。27歳からPCインストラクターとして塾や小学校で授業を行う。
その後、コールセンターや個人でネットワーク系のインバウンドテレワークに従事。
職業訓練校でオフィスソフトやビジネスマナーの講習をしていたが、2014年、ソーシャルデザインワークスへ入職。

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