自分のために、自分のやりたいことを
ソーシャルスクエア上熊本店のスクエアクルー田形亜唯をご紹介。大学では社会福祉学専攻。一般企業に約7年勤めるが、福祉に携わる仕事がしたい思いが強くなり入職。彼女の支援への想い、向き合い方についてインタビュー。
田形 亜唯(たがた・あい)
SOCIALSQUARE 上熊本店スクエアクルー・社会福祉士・中学校教諭一種
ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で障害福祉に関わるクルーは、どのような問題意識を持ち、どのような理想を掲げて支援を行っているのか。その声をインタビュー記事で紹介していく「Crew’s Voice」のコーナーです。
ソーシャルスクエア上熊本店のスクエアクルー田形亜唯をご紹介。大学では社会福祉学専攻。一般企業に約7年勤めるが、福祉に携わる仕事がしたい思いが強くなり入職。彼女の支援への想い、向き合い方についてインタビュー。
※掲載内容は取材当時のものです
育児をしながら福祉の仕事をする
—— 編集部 - 大学で社会福祉学を専攻されていたとのことでしたが、福祉に興味を持ったきっかけについて聞きたいです。
………なんでしょう??
とくに大きなきっかけとかはなくて、なんとなくですね。本当になんとなく、いいなって思ったんです。
大学で社会学部を選択したのは、青年海外協力隊とか海外の貧困問題に興味があったからですね。福祉に対しての興味は…きっかけという程ではないですが、日本はこんなにも豊かで恵まれているのになんで貧困地域とこんなに格差があるんだろうと漠然と疑問に思っていました。
すみません、あまり自分について細かく分析したことがなくて。
なんでこんなに福祉に対して興味を持っているのかが自分でもわからないんです。
—— 編集部 - 貧困や地域に格差がある社会など、不平等さに悩む方々を助けたいという思いがあったんですかね?
うーん、困っている人に手助けをするというと、どこか上からな感じがするので少し違うのですが…困っている人達に、何かできたらいいなと思うことはありました。
—— 編集部 - 参考として聞いてみたいのですが、田形さんが熱中していることとか、興味のある分野ってありますか?
ないんですよね。こう…推しとか、「○○のため!」みたいなことはできたことなくて。
ですが、福祉だけは本当にずっと熱中していることですね。
あえて言うなら福祉が私の熱中していることなんだと思います。
—— 編集部 - 唯一の興味分野が福祉ってちょっとかっこいいですね。前職では営業職をされていたとのことですが、福祉の業界に転職されたきっかけについて聞きたいです。
転職のきっかけは子どもですかね。前職では1人目の子どもの育休から復帰して1年弱くらい働いてみたんですが、育児との両立が難しい現場で。
これを機に、福祉の仕事にチャレンジしてみようかと思ったんです。
社会福祉士の資格は育休中に取得しました。大学を卒業しても社会福祉士の資格を取得できてなくて、社会人になってもずっと試験を受け続けていたんですよ。でも、ずっと落ち続けてて…育休中にやるしかないって思っていたら、やっと合格できました。
—— 編集部 - 転職先にスクエアを選んだ決め手はなんですか?
福祉の仕事をしようと思ったはじめは、病院のソーシャルワーカーの仕事を探していました。しかし、その時期ってコロナが流行していた時期で、どこの病院も忙しそうでした。求人で「未経験OK」と書いていても蓋を開けたら新規職員に教えることもできない状況で、経験者じゃないと厳しいって話が多々ありましたね。
なかなか求人が見つからない中、スクエアの求人を見つけたんです。
今まで障害福祉の分野では探してなかったのですが、目指している社会の考え方や価値観に共感できましたし、職場も家から近く、現場の雰囲気も開放的でオシャレでとても好印象を受けました。
自分が思う理想にすごく近かったんですよね。スクエアであれば「育児をしながら福祉の仕事をする自分」をしっかりイメージできたんです。
—— 編集部 - 支援をする際に気を付けていることはありますか?
そうですね…ご利用メンバーさんとの距離感については気を付けています。
—— 編集部 - 距離感ですか。確かに、ご利用メンバーさんの不安や悩みに影響し過ぎてしまうことや、共感しすぎて精神を削ってしまうケースって、支援の業界ではよくあることらしいので気を付けられてる印象があります。
いや、私の場合はその逆で。
人に対して客観的過ぎるところがあって、旦那からも「人に興味ないよね」って言われたこともあるんです。実際は、ご利用メンバーさんの話にも興味津々なんですけどね。
どうも、人からは一線ひいてるみたいな印象を受けやすいので、支援の時は離れすぎない支援を意識しています。
—— 編集部 - 支援をしていて距離感が遠くなってしまうパターンってあるんですね。ちょっと珍しいかも…。
ある意味自分の良いところでもあり、悪いところでもあるなと思います。
「福祉」や「支援」というと、自己犠牲とか、献身的というイメージがあるかもしれないんですが、私は自分中心で生きてるので…あんまりそういう心配はないかも。
前向きな姿をみたい
—— 編集部 - 「育児をしながら働く自分」を思い描いていたようでしたが、実際スクエアで働き始めてからの率直な感想を聞きたいです。
スクエアでの支援は面白くて楽しいですね。世の中には色んな人がいるんだと世界が広がりましたし、すごくそれは自分にとって実りある時間だと思いました。
また、2人目の子どもが生まれたのでソーシャルスクエアでも育休をとっていたのですが、復帰してからも子どものために休みをとりやすく、非常に良い現場だと思います。
復帰後は、支援の他に外交活動の仕事も任せていただくことにもなって、前職の営業経験を活かして働けるようになり、やりがいが増えました。
—— 編集部 - 田形さんが思う支援のやりがいってなんでしょうか?
やはりご利用メンバーさんの笑顔を見れるのは嬉しいですかね。
話をしてスッキリできたとか、スクエアを卒業していく姿とか、
ご利用メンバーさんが前を向くためのサポートができるところが支援のやりがいだと思います。
一番やりたいこと
—— 編集部 - これまでインタビューをしてきて、田形さんはさっぱりとしていて、頼りになる方って印象を受けました。
基本自分軸で生きてるから、そういった印象を受けていただけるのかもしれません。
誰かのためとか、家族のためとかじゃなくて、いかに自分が機嫌よくいられるかを考えているんです。
「自分を保つ」ことが結構重要で、それさえできていればあとは結構どうとでもなるかなって。好きなことに対してどこまで向き合えているかが、自分のやりがいに繋がっているんだと思います。
ご利用メンバーさんが今後どういったことをしていきたいか、そうするために私はどういう支援をするべきかを試行錯誤していく時間が好きなんですよね。ご利用メンバーさんがスクエアに来てよかったと思ってもらえるように、前向きな人生になってもらえるような支援ができるようになることが、今1番私がやりたいことになっています。
田形 亜唯(たがた・あい)
SOCIALSQUARE 上熊本店
スクエアクルー
社会福祉士、中学校教諭一種
1993年生まれ。兵庫県西宮市出身。大学では社会福祉学専攻。一般企業に約7年勤めるが、福祉に携わる仕事がしたい思いが強くなり入職。
好きなことは美味しいご飯と温泉。