利用者様の声 Member's Voice|上熊本店 Vol.1

Member’s Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づ […]

Share on

Member's Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づきを語っていただきました!お名前|S.Uさん
年 齢|38歳
ご病気/障害のご状況|パニック障害、抑うつ
就職先(仕事内容) |美容師アシスタント
勤務状況(週・時間)|週3、4日・5時間
継続状況|7ヵ月

※情報は取材当時のものです

相談から自分の将来が見えてきた

—— 編集部 - ご自身の障がいについて、またスクエアに通い始めたきっかけについて教えてください

私はアパレル業で働いていましたが、無理をしすぎてしまい仕事にいけなくなってしまって…病院ではパニック障害と抗うつ病と診断されました。仕事が辛いと思った時点で誰かに頼れたらよかったのですが、結婚をきっかけに旦那の地元に引っ越したので、近くに友人も家族もいなくて、旦那も仕事で忙しそうにしていたので、相談しづらくて…。
また当時の自分は「人に頼る」ということに抵抗感もあったので、そういった自分の性格や周りに頼れるコミュニティがないのは課題だと主治医からいわれていました。

しばらく仕事をお休みすることなり、自宅で療養していたのですが、やはり一人でいると悩みとか不安がどんどんでてきてしまって。しかし、自分は誰にも頼れない…、そんな状態が続くのが辛くて
もっと誰かに頼ったり、甘えられるようになりたいって思ったんです。

主治医の先生に「変わりたい自分」について伝えてみたところ、先生からは外部からサポートを受けることを勧められて、スクエアについて教えていただきました。
「ソーシャルスクエアの岡さん(※上熊本店マネージャー)はすごく熱心でいい人だから、会って話してみるといいよ」

(↓ソーシャルスクエア上熊本店マネージャー岡愛理さん)

と先生が絶賛していて、その方が気になってスクエアの見学予約をしてみたんです。

—— 編集部 - 見学当日はどのようなことをしたのですか?

当日は、岡さんご本人とお話しました。
おそらく本来のスクエアの見学の流れは個別相談してから、スクエア内の見学やカリキュラムの様子を見にいくようなものだと思うんですが、
私の場合個別相談の段階で話が盛り上がっちゃって…結局スクエアの見学はしませんでしたね(笑)
個別相談メインで2時間半ぐらいお話させていただいてました。

—— 編集部 - すごく盛り上がってる(笑)

ええ、先生の言っていた通り本当にいい方で、話しやすかったんです。
個別相談では、自分の話を聞いてもらいつつ、実際私がスクエアを利用するとどんな過ごし方ができるのか具体的なスケジュールを教えていただいたり、自分の困りごとについてスクエアで受けられるサポートなど丁寧に説明していただきました。

この日の個別相談だけで自身の将来の方向性がどんどん見えてきて、ここだったら自分はなんとかやっていけそうかなっと思って、相談に乗っていただいた日にソーシャルスクエアの利用を決めました。

「人に話す」ことの重要性

—— 編集部 - スクエアでは実際どのように過ごされていましたか?

主に午前中を中心に通所してましたね。スクエアではパソコンスキル向上のためにWordやExcel学んだり、グループワークやSSTといった利用者メンバーさんとコミュニケーションをとれるカリキュラムに参加したりしていました。
スクエアでは毎月の自分自身でいくつか目標をたてるのですが、私はこの毎月の目標を結構意識してましたね。

—— 編集部 - 例えばどのような目標を立てましたか?

スクエアの利用始めた頃は、生活リズムも乱れていてスクエアに朝から通うことも難しい状態だったので「キチンとした睡眠をとる」とか、せっかくの人とのコミュニケーションチャンスですので「スクエアにきたら、自分から利用者メンバーさんに話しかける」というような目標をたてていました。
1ヶ月という期間で自分は何ができるか、先月の自分は何を達成したのかをスクエアの支援クルーの方と共に考えたり振り返ったりすると、徐々に自分が成長している、変わってると実感できてよかったです。
順調に目標を達成していくのは嬉しかったですし、そのおかげか想定よりも早く自分の体調が整っていました。

—— 編集部 - スクエアで過ごしていて学べたこと、よかったことがありましたらお聞かせください

自分の目標の中に「コミュニケーション能力の向上」といったものもいれていたことから、利用者メンバーさんとコミュニケーションをとりにいくようにしていたのですが、やはり、様々な人の価値観に触れられたのはよかったなと思っています。

例えば「○○さんって、○○だね」といった言葉を言われたとき
自分だったらそれをネガティブに捉えてしまうけれど、他の人の意見を聞くともっと良い捉え方をする人もいることを知り、自身の考え方の「癖」みたいなものを発見できたんです。
それに、自分が違った意見だったとしても、利用者メンバーの皆さんはそれを肯定したり尊重する姿勢で話して下さったので、自分自身の自信にもつながりました。スクエアでは、人とのコミュニケーションが楽しいと感じる瞬間が多かったですね。

また、スクエアを利用するまで「人に頼る」ことに抵抗感があったのですが、スクエアの支援クルーの方に色々とお話きいていただけるようになってから、「人に話す」ことってこんなにも気持ちが軽くなるのかと実感しました。今は「頼る」とまではいかなくとも徐々に「話す」ことなら結構楽で、「人に話す」ことの重要性についてよく知れましたね。

楽しんで働く

—— 編集部 - S.Uさんは現在の美容師アシスタントのお仕事をされていらっしゃいますが、そのお仕事はどのように見つけられたんですか?

見つけたというより、偶然が重なってみたいな感じでした。
自分には子どもがいるのですが、子どもの同級生のお母さんが美容師の店長さんだったんです。
私、アパレル業をする前は美容院で働いていたこともあって…、そのことを話したら
「もしよかったら、一緒に働きませんか?」
とお声を掛けていただいたんです。

その頃はスクエアに通っていたおかげで体調も整っていたので
「働かせていただけるのであれば、是非」とお返事して
1ヶ月間現場で実習させていただいた後、そちらに就職という形で美容師アシスタントとして働かせていただくことになりました。

—— 編集部 - 就職された美容院ではご自身の障がいについてはお話されましたか?

そうですね。お声がけいただいた時点で、店長さんには自分がソーシャルスクエアという就労移行支援を受けていることや障がいについて伝えていました。その後、実習を行う前に面談の時間を設けていただき、自分の障がい特性についてや、対策について詳しくお話させていただきました。

—— 編集部 - 対策…、合理的配慮(※障がいのある人から「社会的なバリアを取り除いてほしい」という意思が示された場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、バリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をすること)というものですね。具体的な内容をおききしたいです!

例えば、以前の美容院で働いていた頃は、常時立ちっぱなしだったのですが、今の自分の体力ではそれが難しいかもしれないといった話をしたところ、今の職場ではイスを用意していただいて、お客様がいらっしゃらないときや、作業がない時は座らせていただいたりしています。

また、「前職では自分の限界を考えず、なんでも仕事を請け負ってしまい、度々体調を崩してしまったので、そうなる前にお声掛けや仕事量の調整などしていただけるとありがたい」といった感じに前職の自分がやってしまっていた良くないケースと共に、それの対策方法を伝えてみたりしましたね。

—— 編集部 - 仕事をしていて困ったことや大変なことはありましたか?

美容師アシスタントとして現場に入らせてもらって、3ヶ月くらいの時期ですかね。
お客様にシャンプーをさせていただいた際に、そのお客様の耳に泡が入ってしまって…、お客様からは「大丈夫だよー」といっていただいたのですが、私自身それを結構引きずっちゃって、

そういったとき、スクエアにいってお話聞いてもらったりできたのはすごくありがたかったです。「人に話す」ことはやはり大事ですね。ソーシャルスクエアは就職後も、定期的に個別面談をしていただいています。気軽に自分の話ができる居場所があるってだけで安心感があります。

美容師って「技術」を売るお仕事なので、シャンプーやブロー、カラー塗布など…どんな作業にも責任も伴います。集中して作業に取り組むので、たまに集中しすぎるとドッと疲れがでてしまうので、大変といえば大変かもしれません。

そういった場合は、適度にイスに座らせていただいたりしてます。休憩時間もしっかりいただいたので、無理はなく働かせていただいています。

今後やってみたいことも増えていっていて、今の私は美容師アシスタントですのでお客様の髪をお切りすることはないのですが、ゆくゆくはスタイリストになってお客様の髪をお切りできるようになりたいと思っています。また、最近はまつ毛パーマとかもできるようになれたらと思案していて、お客様に喜んでいただけるサービスについて色々と模索しているところです。

復職してから仕事って楽しんでやれるものなんだと思い出せました。
実習で現場に入るまで不安もありましたが、実際に仕事をやっていくと「美容師の仕事って楽しいな、この仕事好きだったんだ」って思うことが多かったんです。
この「楽しい」という気持ちを大切にできるよう、これからも無理なく働いていきたいですね。

**********************
ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題は異なりますし、得意不得意があります。それを無理矢理に強制するのではなく、本人の特性にあった支援を探る。そのことで少しずつ自信がつき、自分でできることが増えていく。それが自立に繫がるのだと思います。
このコーナーでは、今後も、就労を決めた方や支援にあたるクルーの生の声を紹介していきます。スクエアでのプログラムをイメージして頂いたり、ここで働くことをイメージして頂いたり、気軽にお読み下さい。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひご連絡下さい。見学などの案内をさせて頂きます。

ソーシャルスクエア上熊本店
〒860-0079
熊本県熊本市西区上熊本3丁目1-32
TEL:090-2167-2256
MAIL:ss_kamikumamoto@sdws.jp

Share on