充実した生活は食を見直すことから

自分の食生活を見直し、生活の改善点を探り出すのが「食育」のカリキュラム。自分の日常の足下を見つめ直す、大事なカリキュラムです。

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今年ももうあとわずか。みなさん、年末に向け忙しい日々をお過ごしのことかと思います。この忙しさを終えると様々なイベントが続きますね。ついついおいしいものに手が伸び、食べ過ぎてしまう時期ですが、その前に、しっかり「食」について考えよう! そんな目的で、ソーシャルスクエア内郷で「食育1」のカリキュラムが行われました。
ソーシャルスクエア内郷には様々な方が通所されており、うつ病や統合失調症などの精神障がいの方も多くいらっしゃいます。精神障がいは「心の病」と言われてきましたが、脳への何かしらの異常が精神に影響を与えていることが、昨今の研究で発表されています。そこで当所では、脳に効く食事を提案しているナチュラルクリニック代々木の銀谷翠院長の著書を参考に、食育のカリキュラムを提供しています。
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食育カリキュラムを担当するのは、ソーシャルスクエア内郷クルーの小松知寛。
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現在の食事をホワイトボードに書き出し、本当に健康的な食事なのかを詳しく検証していきます。
食育カリキュラムは2編に分かれており、今回行われたのは、食育とは何かを学び、食生活の振り返りを行う「食育1」です。
ちなみに食育とは「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」「様々な経験を通じて『食』に関する知識と『食』を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること」と位置付けられています。
また、食事の機能として、(1)家族や親しい人たちとのコミュニケーションの場となる、(2)お正月や節句など、行事や風土と結びついた文化を継承する役割、(3)生命の維持、として紹介し、福島の食文化について振り返るワークを行いました。
メンバーさんに福島で有名な食べ物について聞いてみると、あんぽ柿や目光、なみえ焼そば、カジキメンチなど色々なものがあがり、中には初めて聞くものもありました。また個人的な感想ですが、以前スナックに行ったときに、ママさんが自宅で作ってきたいかにんじんを振る舞っていて福島ならではの光景だなと感じたことを思い出します。
福島の人に「何かオススメのものってある?」と聞くと、何もないよと返ってくることが多いですが、改めて普段の食事に目を向けると豊かな食文化があることにクルーもメンバーさんも気づいた様子でした。
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福島の食に連想される食事をどんどんあげていきます。地域の食の魅力に気づくことも食育カリキュラムの狙いの1つ。
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自分の食生活を振り返る個人ワーク。具体的に書き出しながら振り返ることが、改善の大きな一歩になります。
食事について学んだあとは普段の食生活の振り返りとして個人ワークを行います。
みなさんもぜひ以下の項目で当てはまるものを確認してみましょう。
・肉料理が多く、魚類(特に青背の魚)はあまり食べない。
・レシチンを多く含む大豆、大豆製品、卵(特に卵黄)、ゴマなどをあまり食べない。
・野菜や生の果物をあまり食べていない。
・うどんやおにぎりなどの炭水化物だけで腹を満たすことが多い。
・コロッケやフライなどの揚げ物を、コンビニなどから買ってきて食べることが多い。
・白砂糖を含む食品(甘い菓子、スナック菓子、加糖コーヒー、清涼飲料水)をよく摂っている。
・コーヒーや紅茶などカフェイン飲料を一日10杯以上飲んでいる。
・ラーメン、スナック菓子、できあいの惣菜や弁当など添加物の多いものをよく食べている。
・長期間にわたって、お酒を酩酊するまで飲む習慣が続いている。
・イライラしたり、一人でくよくよ悩みながら食事を摂る(お酒を飲む)ことが多い。
・喫煙している。
チェックが多く付いた人の中で「疲れが取れない」「イライラして集中力が出にくい」「物忘れしやすい」などの脳機能の不調を感じている方もいるのではないでしょうか。
そういった方は、食べる直前に塩を振ったり、ラーメンやうどんのスープを残すなどして塩分を控える。砂糖をオリゴ糖やメープルシロップで代用し糖分を控える。揚げ物を食べるときは野菜や果物を一緒に食べる。ステーキなどのお肉を食べるときにロースではなくヒレを選び脂身を控える。たんぱく質は魚で摂るなど食生活の工夫をすることで改善されていきます。
もうひとつワークとして一昨日、昨日、今日の食べたものを書き出し、そこで感じたことをメモするワークを行いました。あるメンバーさんは夜に食べ過ぎてしまい、次の朝に体調が悪いと振り返り。また他の方は野菜ジュースのみで生の野菜をあまり食べていないことを反省し、メモをしていました。多少、気を使っているつもりでも、改めて書き出して客観的に見てみると、改善できるポイントが多く見つかります。
今回のカリキュラムで、身の回りの食文化や普段の食事に目を向けることで、豊かさや改善点を改めて感じることができました。冒頭でお話しした通り、これから楽しいイベントが続きます。ついつい食べ過ぎてしまうこの時期にみなさんも食生活を振り返り、新しい年を迎えてみてはいかがでしょうか。

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