息子が大人になった頃の社会を描く
今回は入社してもうすぐ丸3年、ソーシャルスクエア スポーツで自立訓練(生活訓練)の支援員として働く、根本政嗣をご紹介。今まで培ってきた人脈やつながりを生かした活動をしています。彼の「地元いわき」へ情熱は、日々の支援に、そして地域に、どのように注がれているのか語ってもらいました。
根本 政嗣(ねもと・まさつぐ)
SOCIALSQUARE 上荒川店 スクエアクルー/ソーシャルベース管理人
ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で障害福祉に関わるクルーは、どのような問題意識を持ち、どのような理想を掲げて支援を行っているのか。その声をインタビュー記事で紹介していく「Crew’s Voice」のコーナーです。
今回は入社してもうすぐ丸3年、ソーシャルスクエア 上荒川店で自立訓練(生活訓練)の支援員として働く、根本政嗣をご紹介。前職では震災復興を目的としてイベントスペースの貸し出しや、いわきエリアでのイベントのなどに従事し、ソーシャルデザインワークス入職後も、今まで培ってきた人脈やつながりを生かした活動をしています。彼の「地元いわき」へ情熱は、日々の支援に、そして地域に、どのように注がれているのか、語ってもらいました。
あたらしいスクエアの立ち上げ
同エリアにあるスクエアで1年半ぐらい就労移行支援の支援員を行い、その後ソーシャルスクエアスポーツ(現:上荒川店)の立ち上げメンバーとして異動しました。現在は自立訓練メインで支援員としてメンバーさんの支援を行っています。もうすぐ3年ですが、入社から今まであっという間でした。
ソーシャルスクエア スポーツは最初は自立訓練のみのサービス提供をしていたので、正直いうと自分自身の支援が手探りだった部分もありました。自分の支援力みたいなものをすごく試された期間でしたけど、でもそれが楽しかったですね。限られたクルーの人数での支援やカリキュラムの作成・実施はもちろん、利用者さんが支援につながるためのスクエア自体のPRや雰囲気作りなど、やることはとにかく多かったです。イチから作り上げられる分、忙しかった(笑)
去年の夏から就労移行支援サービスの提供も始まって、就労を目指す利用者さんも多くなってきました。スポーツでは自立訓練・就労移行支援の垣根を設けないような雰囲気を作っているので、いままでの支援経験を生かして就職に向けてのアドバイスをすることもあります。
自分の強みは「行動力」だと思っているので、とにかくトライアンドエラーを繰り返してやってきた感があります。いまは、ほっとひと段落、少し落ち着いて支援に取り組めているかなという感じです。
ひととひとを繋げる
前職の仕事は震災復興関連事業でイベントホールの貸し出しから、イベントの企画制作を行っていました。地域のためにイベントをいくつもやっている中で、自分が思う「地域の人々とのイベント」の中に、障害のある人や生きづらさのある人が、ちゃんと含まれていたかな?視野が狭かったんじゃないのかな?という自問があってみんなが楽しいイベントを作っているはずなのに、そういう人たちのことちゃんと考えられていたかな?というのが「福祉」に対する視点を持ったきっかけですね。
そんな中でもっと地域の人たちのためになるようなところで働きたいなという考えになって、「諦めのない社会を作る」という理念を掲げているソーシャルデザインワークスにたどり着きました。
理念の他にも行動指針など、自分に「刺さる」要素が多かったように感じます。
入社してから、前職やプライベートでのつながりを生かして「つながりづくり」も行ってきました。企業やショップに向けてごちゃまぜイベントや、メンバーさんの実習先としてのコラボレーションをお願いしたりしてメンバーさんが地域の方々と関わる機会を増やす取り組みをしていました。
クルーみんなでラジオ番組に出て自分たちの取り組みを地域の方々に知ってもらったり、地域で活躍しているクリエイターさんに、デッサン教室やハンドメイドづくりの外部講師としてカリキュラムをやってもらったりと、自分からアプローチして「ひと」と「ひと」をつなげていきながら、メンバーさんへの支援の幅を楽しく広げていけるというのはとてもやりがいがありました。
また、ソーシャルスクエア自体を地域に開かれた場所にしよう!というコンセプトで始めてみたレンタルスペース「ソーシャルベース」の取り組みも、たくさんの地域の方にスクエアを知っていただく機会になったかなと思っています。ダンスの練習場所やヨガ教室などで利用いただいたりしていて、そういうところへたまたま参加された地域の方々が「レンタルスペースかと思って来てみたら、普段は障害福祉の事業所なんだって!」みたいなことって、なかなかないし、自由な活動が許される法人ならではの取り組みかなと思っています。
(※現在は新型コロナウィルスの影響で休止中)
いまは、新型コロナウィルスの影響でなかなか積極的にイベントやコラボレーションができない状況で、スクエアでのメンバーさんの支援も感染症対策をしながら、どう楽しく訓練して過ごしてもらうか工夫が必要な状況です。
オンラインでできる簡単な調理実習や筋トレをやって体力を落とさないようなサポートをしたり、そこはチームで考えてコロナの中でもメンバーさんのために何ができるかは考えることができているかなと思っています。
スポーツのクルーはノリがいいので、形にするまでがすごくスピーディーなんですよね。そしてマネージャーの佐々木さんが冷静な観点からツッコミを入れてくれるので、バランスが成り立っているように感じます。
物事を違う目線で見てくれる仲間がいるというのは、貴重ですね。
息子が大人になった頃の社会を描く
自分には2人の息子がいて、20年後大人になったときに、いわきという地域が少しでも魅力的な場所としてあって欲しいなという思いがあって今の仕事をしています。息子たちの存在が少し先の未来をリアルに考えさせてくれたというか。「20年」って長いようで短くて、できることを全力でやらないとな!という気持ちでいます。
そのために障害福祉の支援員として自分の支援の質を上げていきたい、視野を広げていきたいのと、ごちゃまぜ活動としてもスクエアとしても、ふたたび地域の方と連携していきたいなと思っています。
入社の時にも語ったんですが、自分が地域に対してできることをしていくことでいわきが素敵な地域になって、都会もいわきもどっちも選ぶ選択肢があるよみたいな余裕を、次の世代に作ってあげたい気持ちがあります。
プライベートでは3月に東京五輪の聖火リレーランナーとして、走ってきました。震災復興はもちろんですが、メンバーさんを元気づけるネタの一つになれば嬉しいなと、いろいろなことへのエンパワメントの意味で応募しました。
運良く選考頂き、貴重な体験をさせてもらったと思います。
200mくらいの距離を走ったんですが、当日はスクエアで中継のTVを流してもらって、オリンピックのためというよりかは、みんなを元気付ける意味で走ることができたかなと思います。
きっと聖火リレーのことも、もしかしたらこの記事もですが将来息子が大きくなった時に父親の名前でググると出てくるかもしれないので有言不実行にならないように、これからもがんばっていきたいと思います(笑)
根本 政嗣(ねもと・まさつぐ)
SOCIALSQUARE 上荒川店
スクエアクルー/ソーシャルベース管理人
1985年千葉県生まれ。いわき明星大学を卒業後、栃木県那須塩原市の小売店へ就職。
その後、いわき市のフリーペーパーの広告営業や東日本大震災の復興支援を目的としたホールの管理やイベント企画を3年経験後、
ソーシャルデザインワークスの理念に共感し2018年9月に入社。
支援員としての業務の他に、レンタルスペース事業「SOCIAL BASE(ソーシャルベース)」の管理も行なっている