利用者様の声 Member's Voice|働くを諦めない いわき店vol.2

SOCIAL SQUAREいわき店の支援を経て、また1人、就職を決めた方がいます。支援サービスを利用して2017年4月から復職したHさんです。。1人でも多くの方の「働きたい」という希望をサポートするのがわたしたちの役目。 […]

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SOCIAL SQUAREいわき店の支援を経て、また1人、就職を決めた方がいます。支援サービスを利用して2017年4月から復職したHさんです。。1人でも多くの方の「働きたい」という希望をサポートするのがわたしたちの役目。こうしてSOCIAL SQUAREから社会に飛び出す方、あるいは社会に復帰していく方を送り出すと、改めてやりがいを感じます!
そこで今回は、Hさんご本人と、H.Sさんの支援業務にあたってきたSOCIAL SQUAREいわき店の佐藤有佳里から、それぞれコメントをもらいました。どのような支援を心がけたのか、どのような思いで日々のカリキュラムと向き合ってきたのか。2人の言葉から、SOCIAL SQUAREが行っている支援の今を知って頂ければと思います。

〜H.Sさんから

スクエアは、2017年の4月に復職するまでの、だいたい半年くらいお世話になったかたちです。去年の春、職場の工場で高いところから転落して頭を強打してしまい、しばらく入院していたんです。言葉を出すことに障害ができてしまいました。事故直後は言葉を出すこともできなかったんです。今もちょっとカ行やラ行を発音するのが難しいですが、生活自体は、ケガをする前と変わらないレベルにまで回復しました。
さあいよいよ退院だというとき、職場の感覚を思い出すためにリハビリ的に使ってみたらどうだと会社に提案されたのがスクエアだったんです。会社からはパソコンが支給されてたので、ここでは、エクセルで数字を打ち込んだり、ワードで文書の作成をしたり、発声練習などをして過ごしてきました。おかげさまで、生活はケガをする前の状態に戻っていますし、仕事のほうも、まだ以前のような3交替勤務ではないですが、製造にかかわる仕事に復帰しています。いろいろな支援をしてくれたスクエアと、特に佐藤さんにはよくしてもらいました。とても感謝しています。
ここに通うようになって、メンバーさんたちと知り合いになるうち、色々な考え方が変わりました。1つは障害のある方に対する見方、もう1つは働くことについての意識ですね。正直、ここに来る前は、障害者の就労支援の場所だと聞いてイヤだったんです。どう接していいかわからないし、可哀想な人たちだという偏見があったんですよね。でも、それは完全に変わりました。みんなそれぞれに努力をして、仕事を得ようとしてる。すげえなって、自分だったら無理だと思うくらい、皆さん本当に本気でそれぞれ壁に向き合ってて。可哀想な人だって考えはなくなりました。
今思い返しても、ここで過ごせた時間は、なかなか経験できないことだし、大きな財産になったと思っています。今では、自分を支えてくれた場所だと思ってますし。いつの間にか、来るのが好きになってましたね。毎週土曜日に弓道クラブの稽古があるんですが、稽古前に立ち寄っています。何をするでもなく、クルーとお喋りしたり、お弁当食べたりするだけなんですけど。でも、ぼくにとってとても大事な場所になりました。

〜ソーシャルスクエアいわき店 支援クルーから

プログラムについては、病院から出されているリハビリのプリントがあったので、その進捗や取り組んでいる様子を見て、Hさんと出来るようになったことや、難しいところなどを一緒に確認しました。会社や病院との話し合いがある時にはHさんの気持ちを予め聞いて、もしうまく言えなかった時にフォロー出来るようにしていました(そんな必要は殆どありませんでしたが・・)後は、Hさん本人が気づきにくい空間の認知や身体の動きの鈍さなどはすぐに伝え、次にそこに注意が向けられるかどうかを確認したりしました。
クルーからHさんにしたことは多くはなくて今の生活や今後の生活について話をこまめにしてHさんがどうしたいと思っているか輪郭をはっきりさせることを主にしていたと思います。
これはHさんに限らずですが、自分で思っている今の状態と家族や周りが思っている本人の状態には乖離があることが多いです。Hさんもある日突然「障がい者」と言われ、なんとも言いようのない気持ちになっていたと思います。SOCIAL SQUAREに通うことも、きっと会社に復帰するために仕方なく・・という感じだったと思います。ですから、ここにくることで「障がい者」になったという認識を持つのではなく、今のできることと、難しくなったことを認識して復職した後にHさんが安全に安心して働けることを第一に考えていました。
始めは当たり前ですが、余所余所しくて自分にはあまり構って欲しく無さそうな印象でした。でも、関わりの中で笑顔が増えたり、一言二言話してくれたり、学生の時の話や部活の話をしてくれるようになり、筋トレの話などをして盛り上がれるようになりました。日中も周りに気を配ってくれて、人数が多い時には居る場所を考えて移動してくれたり、重いものを持っているとクルー・メンバーさん関係なく持ってくれたりHさんからの関わりがかなり増えました。最後にSOCIAL SQUAREを卒業するときには感謝のお手紙をくれて、その内容にクルーはみんな感動しました。余所余所しかった最初のHさんがSOCIAL SQUAREを好きになってくれて嬉しかったです。
何を大事にしていきたいかはっきりしているHさんなので、大事にしたいものをしっかり守りながらHさん自身も人生を楽しんでほしいと思っています。

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ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題は異なりますし、得意不得意があります。それを無理矢理に強制するのではなく、本人の特性にあった支援を探る。そのことで少しずつ自信がつき、自分でできることが増えていく。それが自立に繫がるのだと思います。
このコーナーでは、今後も、就労を決めた方や支援にあたるクルーの生の声を紹介していきます。スクエアでのカリキュラムをイメージして頂いたり、ここで働くことをイメージして頂いたり、気軽にお読み下さい。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひご連絡下さい。見学などの案内をさせて頂きます。

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