利用者様の声 Member's Voice|西宮店 Vol.5
Member’s Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づ […]
Member's Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づきを語っていただきました!お名前|T.Nさん
年 齢|23歳
ご病気/障害のご状況|知的障害
就職先(仕事内容) |公園清掃
勤務状況(週・時間)|週5日・7時間
継続状況|1年4ヵ月
※情報は取材当時のものです
ソーシャルスクエアから、友人が増えていった
—— 編集部 - T.Nさんは以前のお仕事を退職され、その後SOCIALSQUARE西宮店での訓練を経て、公園清掃業務を今も継続して勤務されているとのこと。ソーシャルスクエアを利用するきっかけは何だったのでしょうか?
自分が知的障害だと診断を受けたのは小学校の頃でした。障害特性として数字や計算が苦手で買い物の会計でお札ばかりだして小銭だらけにしてしまうことや、行動も周り人たちと遅れてしまうことがありました。
高校卒業後に障害者雇用で契約社員として鉄道の部品を扱う会社に入社しました。車両の部品を磨く作業やコイル締めなどの業務をしていましたが、業務の内容の理解や上司とのうまく関われませんでした。その後、世間でコロナが流行し始めたことをきっかけに契約解除を言い渡され退職しました。
退職後は自身の担当相談員の方から就労支援事業所の紹介してもらい数件事業所の見学をしましたが、ソーシャルスクエアに見学した際に、利用者メンバーさんと非常に会話が弾んだことをきっかけに利用を決めました。
自分は「城巡り」が好きなのですが、その利用者メンバーさんは「寺院・神社巡り」が好きで、それらを目的に利用当時や今でも一緒に旅行に行ったりしています。その方ばかりでもなく別の利用者メンバーさんとも一緒に出掛けたりもいているので。大人になってからこんなに仲良くなれる友人が増えたことは嬉しいですね。
苦手なことに向き合う大切さ
—— 編集部 - スクエアではどんなふうに過ごされていましたか?
「自分がどういう仕事が向いているのか」「自分にはなにができるのか」を見極めるために、事業所のプログラムは積極的に参加していました。体験実習などにも行くこともあり、事業所内の訓練ではなかなかできない業務を経験できました。
会社を退職してから、自分が働いていない状況が「自分は社会に貢献できていない」と常に焦りとして感じていました。スクエアに通い始めてからも、その焦りは就職できるまで完全になくなることはなかったのですが、スタッフさんと一緒に数カ月間の計画や目標を立てや振り返りの面談をして、自分がその期間に達成できたことについて実感できるようにしてもらっていたのは焦りの軽減に少し効果はあったかもしれません。
—— 編集部 - スクエアのプログラムで印象に残っているものなどはありますか?
全体的にプログラムには参加していましたが、中には苦手なものもあり…「プレゼンテーションプログラム」は人前に立つことがとても緊張するので、はじめは参加を避けていました。しかし、ある時「自分について」のテーマのプレゼンは不思議とその苦手意識はなく制作から発表までできたんです。「苦手なことだからといって、全てができないというわけではない」と知ることができるプログラムだったと思います。
また、自分はスクエアスタッフさんによく相談にのってもらっていた印象があります。自身の事業所での過ごし方や今後についてアドバイスをもらえたことはとても助かりました。なかなか自分に合った仕事を見つけられず悩んでいた時には、障害者職業センターの「職業評価」をすることを勧めてもらったことで、仕事の方向性もみつけました。
前の職場でも「知的障害の人に向けられた配慮」はされていたのは確かなんです。しかし「知的障害」といっても、その人の苦手なことやできることは個人差があり、自分のほうから「私はここがわからない」と明確に相手に伝えられなかったことがマッチングしなかった原因の1つだと今は思えて、スクエアでは自分について伝える方法を学ぶことができたと思います。
ヒトとのつながりから
—— 編集部 - T.Nさんは現在の公園清掃のお仕事をされていらっしゃいますが、そのお仕事はどのように見つけられたんですか?
今の仕事先は小学校の頃お世話になった少年野球のコーチからの紹介がきっかけでした。実際はじめに声をかけてもらった時期は、既に鉄道部品会社に勤めることを決まっていた時で一度断っていたんです。その時も「その会社が嫌になったりしたら、いつでも声をかけてくれて大丈夫!」と言ってくれました。退職後もしばらくは「自分に合った仕事」について考えたいと思っていたので、スクエアにを利用することにしていました。しかし、そのスクエアでの経験や障害者就業センターからの評価で「自然に関わる仕事」が向いていると結果が出たことから、野球コーチに声をかけて実習や面接の実施をしていだたくことになりました。
—— 編集部 - 面接ではどのようなことを話されましたか?
自身については紹介してくれた野球コーチやスクエアスタッフさんも事前に共有してくれていたらしく、スムーズに面接が実施され、内容は自身の障害特性についてとこれまでの経緯やスクエアでに経験についてをメインで話していきました。
自身の特性で「計算が苦手」と伝えた際には、面接担当の方からは「計算系のその業務はないから大丈夫!」と笑って話していただき面接自体はフレンドリーな雰囲気で進めることができ、その後すぐ就職が決まりました。
—— 編集部 - 現在のお仕事で困ったことなどはありませんか?
特にないですね。今は就労定着サービスの利用もしているので月に1度スクエアに来てスタッフさんにここ最近の業務についてや、ちょっとした愚痴などをきいてもらったりしてます。今の時期はこういった業務が増えたとか、大体気温に対して暑い!寒い!とかの話です。
以前の鉄道部品の会社に勤めていた時と比べて収入は少し減ってしまったのですが、今の仕事のほうが断然に業務はやりやすいですし、自分にあった仕事ができていると感じています。
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ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題は異なりますし、得意不得意があります。それを無理矢理に強制するのではなく、本人の特性にあった支援を探る。そのことで少しずつ自信がつき、自分でできることが増えていく。それが自立に繫がるのだと思います。
このコーナーでは、今後も、就労を決めた方や支援にあたるクルーの生の声を紹介していきます。スクエアでのカリキュラムをイメージして頂いたり、ここで働くことをイメージして頂いたり、気軽にお読み下さい。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひご連絡下さい。見学などの案内をさせて頂きます。
ソーシャルスクエア西宮店
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