利用者様の声 Member's Voice|上熊本店 Vol.2

Member’s Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づ […]

Share on

Member's Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づきを語っていただきました!

お名前|Y.Iさん
年 齢|?歳
ご病気/障害のご状況|うつ
就職先(仕事内容) |事務職
勤務状況(週・時間)|週5日・5時間(入社当時)
継続状況|7ヵ月

※情報は取材当時のものです

心地の良い支援

—— 編集部 - ご自身の障害やソーシャルスクエアに通った経緯についてお聞きしたいです

前職でマスコミ関係の仕事をしていたんですけど、毎日始発で出勤して、最終で帰る…みたいな感じで、そんな働き方を続けていたらうつ病になってしまい仕事を辞めました。
それから、しばらく療養して体調も戻ってきた頃、そろそろ転職活動をしようか仕事を探しにいった時、「仕事を辞めてからブランクがあるので、紹介できそう企業はない」ってリクルーターさんからいわれてしまったんです。

—— 編集部 - せっかく働こうと思ったのに紹介できないと言われてしまうとショックですね。

そうですね。自分の生活もあるのでそこで何もしないってわけにもいかなかったし、資格を取りにいったり、アルバイトをして生計を立てていました。

体調も回復していた時期でもあったので、アルバイトで働き続けることはできていました。だからこそ、ちゃんと正規での雇用してもらいたいな…って気持ちも大きくなっていったんです。初期に転職活動を始めた時は、自分だけで就職を目指したのですが、今回は他からのサポートをしてもらいつつ就職活動をしてみようと、個人で色々と調べて、就労移行サービスを利用を決心しました。

—— 編集部 - いくつかあった就労移行事業所の中から、ソーシャルスクエアを選んだ決め手はなんですか?

スクエアを選んだ一番の決め手はスクエアの支援クルーの皆さんの支援が自分にとって心地よかったから…ですかね?

ソーシャルスクエアへ見学をしてみようと思って電話で連絡を入れたんですけど、連絡を入れた時間がソーシャルスクエアの営業時間外で…繋がらなかったんです。でも、その後スクエアの支援クルーの方から留守電メッセージが入っててその声がすごく優しくて安心したことを覚えています。

実際見学に行ってみたところ、スクエアの支援クルーとご利用メンバーさんとの会話の様子も「支援されている」感じがせず、心地よさを覚えました。スクエアの支援クルーのみなさんがとても良い雰囲気をつくられているな、こういった方々にならいろいろと話せるし、頼れるかもって思い利用を決めました。

自分のことを伝える

—— 編集部 - スクエアに通われてからはどういった過ごし方をされていたのでしょうか?

利用当初から週5で利用していました。
その日に行っているカリキュラムに参加しつつ、メインでは履歴書の添削や面接練習だったり、個人的に就職に関しての支援をお願いすることが多かったと思います。
あとは、自分が今後働くにあたって無理なく働けるようにって、
オープン就労(※)でやっていこうと決め、精神の障がい手帳の取得などもしました。
(※自身の障害について企業に開示して就職活動をする方法)

—— 編集部 - オープン就労で就職活動されたんですね。現在、人材派遣会社の事務員として働かれているようですが、そのお仕事に就くまでの流れをお聞きしたいです!

障害者向けの合同説明会があるんですけど、事務職を中心に企業を探していたところ今勤めている会社を見つけました。
私はルーティンワークだけで働くのが結構苦手なタイプでして…適度に「新鮮さ」を味わえる仕事があったらいいなと思っていたんです。今勤めている企業の説明会で社員の方から新しいシステムを導入していて一般的な事務仕事と並行していろいろな業務に関わらせていただけると話を聞いて、面白そうでいいなって思ったんです。

そこからその企業と面接をして、実習を行ってから入職が決まったという流れですかね。
オープン就労だったことから、自分の障害について話す機会があり「自分から相談しに行くことが少々苦手なので、適宜相談できる時間を設けていただきたい」といった合理的配慮(※)についての話もできました。実際、今でも定期的に相談の時間を設けていただいています

(※障害のある人から「社会的なバリアを取り除いてほしい」という意思が示された場合には、その実施に伴う負担が過重でない範囲で、バリアを取り除くために必要かつ合理的な対応をすること)

—— 編集部 - 入職されてからの勤務の時間などおききしていいですか?

2023年の1月に障害者雇用で入職して週5日・5時間の時短勤務で働いていました。そこからひと月ごとに1時間ずつ勤務時間を延ばしてもらって…次回の更新から雇用形態が契約雇用から正規雇用に切り替わって、8時間フルタイムで働けるようになりました。

—— 編集部 - おお~!!正社員雇用!おめでとうございます!時間を延ばしてもらったり、雇用形態が変更された経緯とか聞きたいです

特別なことはしていないんですが、定期的に面談時間をいただいていたので、自分が業務中にやっていたことや今後の自分の働き方についての考えをしっかりと伝えるようにはしていましたね。

自分の場合、任されていた事務業務のほか、個人的に新規のシステムのマニュアル作成もしていることなどを伝えてみたところ、そのマニュアルは最終的に社内の公式マニュアルへと採用されました。
それからは、システム管理以外に社内の勉強会(研修)などを開催したり、営業社員の相談役など職域が広がっていきました。

もともとシステムのマニュアル自体は自分のために作っていたのですが、結果的に周囲にも喜んでもらえるものになったのはよかったなと思います。

—— 編集部 - 実行力がすごいですね!改めて、ご自身が目指していた正社員になれたわけですが、率直な感想としてはいかがでしょうか?

これから正規雇用に切り替わることで不安もあるんですが、上司からは「なるべく負担にならないようにやりくりするから、なんでも話してね」と声をかけていただいて安心できましたし、今後も頑張っていこうと思えました。

私は、障害特性として自分から相談することが苦手な一面があったのですが、以前の職場と比べて今の職場は穏やかな人が多く、話しかけにいきやすい雰囲気をもっているので、以前よりも自分から話しかける抵抗感がなくなっていってますね。

「戦友」

—— 編集部 - スクエアに通ったことでご自身の中で変わったことなどありましたら教えていただきたいです

就職活動の際、在宅勤務やリモートワークのような働き方も検討していたのですが、オンラインってどこか味気なくて…対面でコミュニケーションをとっているほうが自分には合っているなと思いました。ですが、自分の場合人と関わることで自分のキャパシティー以上のことをしてしまう性質もあったので、スクエアでは対面で働く上での自身のブレーキみたいな…?「程よく人と関わる手段」について楽しく知っていけたと思います。

スクエアでのコミュニケーションを通して学べたことは多かったですね。仕事を辞めて社会から離れていた時間が結構長かったので、しばらく友人や家族としか関わってなかったんです。スクエアに通うようになってからは、スクエアの支援クルーやご利用メンバーさんのような「身近過ぎない間柄」の方々との会話を通して、距離感について再認識しました。

そうして色んな方と話す機会が増えたことで、家族とのコミュニケーションだったり、前職で関わってきた同僚のことを思い出したりして、あの時こうすると良かったのかもなと以前の自分の行動を振り返っていくこともできましたね。

—— 編集部 -「身近すぎない間柄」ですか...、利用メンバーさんの中には「友達」ができたという話をしていただくこともあるのですが、U.Iさんにとって、スクエアの利用メンバーさんとはどういった存在ですか?

自分の感覚では友達っていうよりも、仲間みたいな…一緒に何かを目指す「戦友」みたいな感じですね。

今日、インタビューのためにスクエアに久々に来たんですが、当時一緒にカリキュラムに参加していたスクエアのご利用メンバーさん方に会って、ちっちゃい同窓会みたいになったんですよね。きっとその方々もいずれ就職するだろうし、次スクエアにお邪魔したときには自分の知っている利用者さんには会えないかもしれないんですけど…こういう繋がりがあるっていうのはどこか嬉しい気持ちになりました。

自分が働いている時、どこかでその戦友たちも頑張ってるんだろうなって思うと、自分も頑張ろうって思えます。

**********************
ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題は異なりますし、得意不得意があります。それを無理矢理に強制するのではなく、本人の特性にあった支援を探る。そのことで少しずつ自信がつき、自分でできることが増えていく。それが自立に繫がるのだと思います。
このコーナーでは、今後も、就労を決めた方や支援にあたるクルーの生の声を紹介していきます。スクエアでのプログラムをイメージして頂いたり、ここで働くことをイメージして頂いたり、気軽にお読み下さい。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひご連絡下さい。見学などの案内をさせて頂きます。

ソーシャルスクエア上熊本店
〒860-0079
熊本県熊本市西区上熊本3丁目1-32
TEL:090-2167-2256
MAIL:ss_kamikumamoto@sdws.jp

Share on