利用者様の声 Member's Voice|上荒川店 Vol.1
Member’s Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づ […]
Member's Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所(ソーシャルスクエア)を利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づきを語っていただきました!
お名前|A.Mさん
年 齢|34歳
ご病気/障害のご状況|広汎性発達障害、適応障害
就職先(仕事内容) |製造アルバイト、ぺインター
勤務状況(週・時間)|月3日、1日30分~8時間
※情報は取材当時のものです
アートにのめり込んで
—— 編集部 - 現在しているお仕事について教えてください。
現在は雑貨店の製造アルバイトとして、レジン作品を製造する仕事を月に3日行い、そのほかはペインターとしてボディーペインティングを個人事業で行っています。
レジン製造は月に3日工房に出勤し、作品を制作・納品します。自身の体調に合わせて仕事をしていいと職場の方には言っていただいているので、勤務時間はまちまちです。30分程度働いて帰る時もあれば、8時間勤務の時もあります。
ペインターの仕事はHPやインスタグラムで依頼受付をしています。依頼件数は年に数回程度で、細々とやっています。体調に不安のある自分としては、このぐらいの依頼数が丁度よくて無理なく働けています。
A.Mさんの勤務するレジン雑貨専門店Barry Factory。海をモチーフにした作品が印象的 https://barryfactory.com/
A.Mさんがのエアブラシアート & ボディーペインティング専門店ai.airbrush
https://ai-airbrush.jimdofree.com/
—— 編集部 - 素敵です!こういった働き方をされるようになった経緯をお聞きしてもよろしいでしょうか?
PCグラフィック専門学校に通った後に2度就職しましたが、どちらも上手くいかず、病院から広汎性発達障害と適応障害の診断を受けました。
その後しばらくB型の就労継続支援事業所に通っていました。
自分としては、今後一般企業に就職するためのステップアップとしてB型で訓練していくことを想像していたのですが、実際の作業をしてみると自分の能力的には少々物足りなく感じるものでした。また、自身の通っていたB型事業所はなんといいますか…一般企業へつなげるのが苦手そうな印象があり、自分の中のやる気がどんどん削がれていってしまいました。
この状況をどうにかできないかと福祉サービスに詳しい家族に相談したところ、本格的に就職準備ができる就労移行サービスを利用するのはどうかと提案してもらったんです。
—— 編集部 - 数ある就労移行支援事業所のうち、ソーシャルスクエアを選んだ理由をお聞きしたいです。
実は自分の妹はスクエアの支援クルーで…妹から就労移行支援サービスについて色々と教えてもらったんです。
具体例として妹が勤めているスクエアの就労移行支援サービスでは、一般企業に就職するために面接練習や障害者雇用での履歴書の書き方など学べること、そして企業へ見学や実習にいくこともできるなどの情報を聞いて、とりあえず見学にいってみることにしました。
見学では個別面談があり、相談の中で自分がスクエアでどういったことをしていけるかいくつも提案してもらいました。個別面談の時間で、とても親身に寄り添ってもらえるところだと思い、B型事業所からスクエアの就労移行支援にサービス変更することにしました
自分に合ったサービスに出会えたと思います。また、個別面談で提案したことについて本当に遂行していただけたことも嬉しかったです。サービスを利用してもらうため適当に提案したのではなく、有言実行していただいたことに好印象を抱きました。
—— 編集部 - なんと!そんなつながりがあったんですね…!スクエアを利用してからはどういったことをされていたのでしょうか?
スクエアに通ってからは、主に「自己理解」を深めることに注力していました。クルーのみなさんとの個人面談や相談を重ねて自己分析していくと、自分がやっていきたいことは「アート系」だと気づくことができました。
それから自分がアート関連の仕事をする上で無理のない働き方について検討していき、出勤は朝早くないほうが助かること、マルチタスクが苦手なので指示の出し方は1個づつ…と勤怠や指示についての説明をまとめた※就労パスポートを作成しました。
※就労パスポート
障害のある方が、働く上での自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などについて、支援機関と一緒に整理し、事業主などにわかりやすく伝えるためのツール
以前までの自分だったら、就労パスポートについても知りませんでしたし、障害についてどれほど開示するのかも全然分かっていませんでした。スクエアで就労パスポートを作成できたおかげで、自分について深く知ることができましたし、自分について人に伝えやすくなったのでとても感謝しています。
—— 編集部 -「アート系」がいいと思った理由としては、PCグラフィックの専門学校に通った経験があってのことでしょうか?
いえ、確かにPCグラフィックの専門学校に通っていましたが、それはあまり関係していませんね。1番の理由としては仕事に行けなくなった後、引きこもっていた時期に「エスニックファッション」にハマったのがきっかけかと。
実は、ペインターの活動はスクエアに通う前からしていたことなんです。引きこもり時代、エスニック文化の「ヘナタトゥー」という2週間程度で消えるハンドペイントに興味をもって、そこから独学でペインターアートについて学びました。
自分の手や希望してくれた友人を練習台にペイントするようになり、2015年ぐらいにペインターとしての活動を開始しました。
この経験からどんどんアートへのめり込んでいって、いまこのような仕事をしています。
何にもはまらない自由な働き方
—— 編集部 -レジン製造のアルバイトに就くまでの経緯について詳しくお聞きしたいです
ペインターの先輩の営業同行…というより仕事を見学させてもらおうと付いて行った時に訪れたのが、今働いているレジン雑貨店でした。
雑貨店の社長と話をする中で製造アルバイトを募集していることがわかり、具体的に業務内容を聞いてみると興味が湧いてきたので、勇気を出して「ここで働かせてほしい」と伝えてみたんです。
自分のアートへの想いはもちろんですが、スクエア利用時にコツコツ作成してきた就労パスポートの内容を思い出しながら、自分の障害についても開示していきました。出勤できる日数が少ないことや、指示の出し方にはコツが必要なことなどを伝えるのは不安が強かったのですが、社長からは「全然いいよ!」と言ったいただけたんです。
自分の障がいについて、自分の言葉で説明して理解してもらっただけでなく、働いてもいいと言っていただいたことは、本当に嬉しかったですね。
その後、実習をすることになりました。
実習前に社長とスクエアのクルーと私で面談を実施して、実習期間は確か、2か月程度…といってもその期間出勤したのは6回ぐらいでしょうか。実習で特に問題もなかったので、そのまま採用が決まりました。
—— 編集部 -人とアートとのつながりでMさんらしい働き方ができたのですね。
何にもはまらない自由な働き方ができていると思います。
今こういった働き方ができているのはやはりスクエアのおかげだと思っています。
自分は言語化が苦手だったので、就労パスポートを作成するまでスクエアの支援クルーのみなさんのサポートが手厚くて非常に助かりました。今後、もし別の所で働くことになったとしても、これは一生ものだなと思っています。
少しずつでいい
—— 編集部 -スクエアに通われてからご自身が変化したと感じたことはありましたか?
利用当初は、何かに追われているような感覚があって…すごく焦ってたことを覚えています。
あれもこれも頑張って「○○しないといけない!」みたいな焦燥感がいつもありました。
そんな焦り感で一度スクエアに行けなくなったことがあったのですが、クルーのみなさんに「少しずつでいいんだよ」とあたたかい言葉をかけていただき、安心できました。
以降「少しずつでいいんだ」って気持ちを持つことを意識できるようになりましたね。
初めは余裕がなくて、スクエアのカリキュラムに全然参加できなかったのですが、徐々に参加できるようにもなっていました。
—— 編集部 -「少しずつでいい」という言葉がMさんを変えたのですね。これからのMさんも少しずつ変化してしていくかと思われますが、Mさんの今後の目標などありましたらお聞きしたいです。
近い未来ではないかもしれないのですが、やはり最終的に
一般の方のように週5で8時間…フルタイムで働けるようになりたいと思っています。
ただ「目標」として掲げてしまうと前の自分のように焦ってしまうので、こうなりたいなという気持ちを抱える程度にしています。今は体調を崩さず継続して働き続けていくことを考えて、少しずつ抱えている思いを叶えていけたらいいと思っています。
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ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題は異なりますし、得意不得意があります。それを無理矢理に強制するのではなく、本人の特性にあった支援を探る。そのことで少しずつ自信がつき、自分でできることが増えていく。それが自立に繫がるのだと思います。
このコーナーでは、今後も、就労を決めた方や支援にあたるクルーの生の声を紹介していきます。スクエアでのプログラムをイメージして頂いたり、ここで働くことをイメージして頂いたり、気軽にお読み下さい。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひご連絡下さい。見学などの案内をさせて頂きます。
ソーシャルスクエア上荒川店
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