怪我から始まった福祉の道と自由な挑戦
今回は2023年9月入社、現在はソーシャルスクエア 水前寺店で就労移行支援の支援員として働く坂本 翔太郎をご紹介。大学卒業後、北九州・下関拠点のドラッグストアに就職。登録販売者・副店長として3年半勤務。その後、地元の熊本にUターンし広告営業、農業の仕事を経て、ソーシャルデザインワークスに入社。入社から1ヶ月半が経過し、ソーシャルスクエアに馴染み始めた新鮮な気持ちや今後挑戦したいことについて話を聞く。
坂本 翔太郎(さかもと・しょうたろう)
SOCIALSQUARE 水前寺店 スクエアクルー
ソーシャルスクエアという地域に開かれた現場で障害福祉に関わるクルーは、どのような問題意識を持ち、どのような理想を掲げて支援を行っているのか。その声をインタビュー記事で紹介していく「Crew’s Voice」のコーナーです。
今回は2023年9月入社、現在はソーシャルスクエア 水前寺店で就労移行支援の支援員として働く坂本 翔太郎をご紹介。大学卒業後、北九州・下関拠点のドラッグストアに就職。登録販売者・副店長として3年半勤務。その後、地元の熊本にUターンし広告営業、農業の仕事を経て、ソーシャルデザインワークスに入社。入社から1ヶ月半が経過し、ソーシャルスクエアに馴染み始めた新鮮な気持ちや今後挑戦したいことについて話を聞く。
※掲載内容は取材当時のものです
対等な関係性
僕はソーシャルスクエア水前寺の就労移行支援のクルーとして2023年の9月末から働いています。ソーシャルスクエアで働くまで「福祉」の仕事はしたことがありませんでした。これまで障がいがある方とコミュニケーションを取る機会も少なく、働き始めてから意識するようになったことは「声のかけ方」ですかね。
僕、今まで運動ばかりしてたので、体育会系気質といいますか…自分自身あんまり悩みや不安とかを持った経験がないんです。そういった自分の性格もあってソーシャルスクエアで働き始めた当初、自分の熱の強い接し方でご利用メンバーさんを戸惑わせてしまい、、ポジティブにいき過ぎました(苦笑)
僕との対応でご利用メンバーさんに負担をかけてしまってはいけないと思い、スクエアの先輩クルー皆さんの言葉遣いや声かけの仕方を見て勉強しました。その甲斐あってか、今はご利用メンバーさんのほうからコミュニケーションをとりに来ていただけるので嬉しいです。
僕自身入社前から考えていたこととして、ご利用メンバーさんのことを「障がいのある方」と意識せずに接していきたいって思っていて、「対等」な関係でいられたらいいなって…きっとその気持ちが前に出過ぎてしまったのかなと思います。
就労移行支援の業務には、就職や復職を考えるご利用メンバーさんと「担当」の支援クルーが今後のことについて計画や目標を面談で決めていくというものがあります。僕はまだ、「担当」としてご利用メンバーさんを支援する業務に入ったことはありませんが、来月あたりで「担当」業務も任せてもらえることになっています。こういった業務のなかでも、支援する僕ら側が主導権を握るのではなく、ご利用メンバーさんのことを尊重した支援をしていきたいと考えています。
そのためには、やはりご利用メンバーさんとは「対等」な関係であることが重要だと、働き始めてから、今でも思い続けています。
ですので、今の自分の課題としては焦らずに声のかけ方は意識して、ご利用メンバーさんと信頼関係を少しずつ築いていくこと。そして、お互いの意見を言い合える「対等」な関係になることを目標に、ご利用メンバーさんの支援をしていきたいですね。
人に尽くす仕事で諦めない未来を
僕は大学までサッカーをしていて、当時はプロサッカー選手になることを目標にしていました。しかし、大学2年生の時に、試合で骨折と靭帯断裂の大怪我をしてしまい、その後も足の状態は良くならず、大学でサッカー選手になることを諦めたんです。
当時はショックでしたし、ずっとサッカーばかりしていたので、これから何をしたらいいんだろうと悩みました。その時、大学の恩師から「お前は人に尽くしたり、喜ばせたりする仕事が向いている」と言われたんです。その時の僕は「そうなのか」と半信半疑な状態でしたが、恩師の言葉に従って、地域貢献していこうと思い、地域や高齢者の方を大事にする考えをもったドラッグストアを見つけてそこに就職をしました。また、職場以外でも実家の神社の手伝いで参拝された方のお話を聞くことや、サッカースクールで地域の子どもにコーチとしてサッカーを教えたりして積極的に地域に関わり人に尽くす活動をしてました。
参拝者の方のお話を聞くことも、大好きなサッカーをこどもたちに教えることもすごく楽しいんですよ。恩師の言った通り、僕は「人に尽くす仕事」が向いてたんだと思います。
それから何年かドラッグストアで働きつつ地域活動をし、熊本にUターンしてからも働きながら地域活動を続けてた時、ネットでソーシャルスクエアの存在を知りました。
ソーシャルスクエアの活動内容をみた時は驚きが強くて、それまで僕にとっての「福祉」の印象は、堅苦しいというか閉鎖的なイメージがあったんです。しかし、ソーシャルスクエアのごちゃまぜ活動について知ったとき、福祉の自由度に衝撃を受けました。
【ごちゃまぜ】
障害の有無、国籍、年齢、性別、文化など異なる人が存在する社会を楽しむための自然な機会を「ごちゃまぜ®」と題し、自分たちがやりたいと思え、みんなで楽しめるまちづくり企画を地域の中で運営しています。その地域にとって大事なことをその地域の人たちと共創しています。
そんな福祉の一面を知ってから、自分もこんな風に面白く楽しんで、人のために尽くして働いてみたいって思ったんです。
それに、ソーシャルスクエアの「すべての仲間の幸せを追求すると共に諦めのない社会を創る」という理念は、自身の諦めた過去と改めて向き合うきっかけにもなりました。
やはり、今でも「あの時、ケガをしなければな」とずっと後悔があるんです。その経験があるからこそ、他の人には同じような思いはしてほしくないなって、後悔のない選択をしてほしいと思ったんです。
そして、僕自身はその人が後悔のない選択がとれるよう、たくさんの選択肢を増やす手伝いをしたい。そんな考えもあってソーシャルスクエアに応募しました。
「○○×福祉」
ソーシャルスクエアに入社したあとも、サッカースクールのコーチや実家の神社の手伝いは続けていて、2023年9月には神主の資格もとったんです。こういった職場以外の活動は、今後もっと地域貢献に活かしていけると思ってます。
ソーシャルスクエアで「福祉」について学び始めてから1ヶ月程度なので、まだ知らないことも多くありますが、「福祉」には無限の可能性があると感じます。僕はこれから「福祉」と様々なものを掛け合わせて、地域の皆さんとつながりを広めていく挑戦をしていきたいと思っていて、、
例えば「神社×福祉」
神社には稲作、お米とすごい深い関わりがあるんですけど、地域の皆さんやご利用メンバーさんとともに「田植え」や「稲刈り」のイベントを神社庁と協力し企画してみて、自然に触れる機会や人とコミュニケーションする場つくりをすること。あと、1日神主体験をご利用メンバーさんにしていただいてもいいかもしれませんね!ご利用メンバーさんにとって今後の職業を考える材料としていい経験になるかもなあって思ったりしています。
ほかにも「スポーツ×福祉」
熊本ってサッカーやバスケ、バドミントンなどが盛んなので、ソーシャルスクエアとスポーツチームとコラボをしてスポーツイベントをしてみたいと思ってるんです。
ご利用メンバーさんの中には、今の自分の体の状況を把握しきれていないといったこともあり、僕が進行しているカリキュラムで「体力・筋力測定」というものがあって、そこで自分の体について知る手段もあるんですが、せっかくなら大きな空間で、ソーシャルスクエア以外の人とも交流しつつ、思いっきり体を動かす機会をつくれたらと思ってます。
スポーツって、人とのつながりを作ったり、自信ややりがいを持たせたりする力があると思うんです。ご利用メンバーさんにも、こういった企画でスポーツを楽しんでもらって、笑顔や元気になってもらえたらと計画を練っているところです。そんな感じに福祉と何かを掛け合わせて、地域を巻き込んだ活動を積極的にやっていく予定です!
また、支援の面でもたくさんチャレンジしていきたいです。僕は今、就労移行支援のみ担当していますが、ゆくゆくは自立訓練(生活訓練)の支援にも関わっていきたいと考えています。これからたくさん学び、経験を積み重ね、多くの人が諦めずに選択できる支援ができるよう創意工夫していきたいですね。
坂本 翔太郎(さかもと・しょうたろう)
SOCIALSQUARE水前寺店
スクエアクルー
登録販売者/神主/サッカーコーチ
1995年生まれ。熊本県出身。高校生まで熊本県で過ごし、北九州市の大学へ進学。大学卒業後、北九州・下関拠点のドラッグストアに就職。登録販売者・副店長として3年半勤務。
その後、地元の熊本にUターンし広告営業、農業の仕事を経て、ソーシャルデザインワークスに入社。現在は、神主とサッカーコーチもしており、「神社×福祉」「サッカー×福祉」のように自分の経験を生かし、ごちゃまぜイベントをたくさん企画して行い、「ごちゃまぜな社会」を創っていきたい。