利用者様の声 Member's Voice|水前寺店 Vol.3
Member’s Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所 ソーシャルスクエアを利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。 スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づ […]
Member's Voiceは、ソーシャルデザインワークスが運営する障害福祉事業所 ソーシャルスクエアを利用されて、就職をされた卒業生の声を紹介するコーナーです。
スクエアでの活動や訓練を通して、学べたものや得られた気づきを語っていただきました!お名前|K.Mさん
年 齢|23歳
ご病気/障害のご状況|双極性障害
就職先(仕事内容) |社会福祉法人にて介護職
勤務状況(週・時間)|週5日・4時間から徐々に8時間勤務へ(週40時間勤務)
継続状況|勤務されて10ヶ月目(最初の3ヶ月は障害者トライアル雇用制度)
※情報は取材当時のものです
退院後、社会復帰の第一歩として
—— 編集部 - K.Mさんはご病気で入院された後に、SOCIALSQUARE水前寺店での訓練を経て、介護のお仕事へ就職。今も継続してお仕事をされているとのこと。ソーシャルスクエアを利用するきっかけは何だったのでしょうか?
地元熊本で高校を卒業して、神奈川の看護学校へ進学しました。初めての一人暮らしや学校の課題、実習、人間関係などが重なってしまい双極性障害(躁うつ病)を発症しました。
しばらく東京の病院で入院生活を送り、地元熊本へと戻ることになりました。
そこでもしばらく治療が続き、ふたたび入院。症状が落ち着いて、退院することになったときに病院のソーシャルワーカーさんに退院後の生活習慣を整えるためにソーシャルスクエア水前寺店をおすすめされました。
病院にはデイサービスもあり日中の活動をするための施設をいくつか検討したのですが、自宅からのアクセスの良さやスクエアの雰囲気が自分には合っているなと感じて、利用することに決めました。
自立訓練(生活訓練)+就労移行支援で就職へ
—— 編集部 - K.Mさんは自立訓練(生活訓練)と就労移行支援を併用して利用されたんですね。
はい。入院と治療に専念していた生活で、体力面や生活リズムの面に不安がありました。すぐに就職というところまでは不安があって、無理をするとまた症状が悪化してしまうかもしれないのでゆっくり社会復帰をしていきたいなと思いました。そこでまずは自立訓練(生活訓練)というサービスを利用して、半年ぐらいで体力や生活リズムの調整をしていきました。
体力や体調面を整えた上で就労移行支援へサービスを切り替えて、就職を目標に訓練を行いました。就労移行に通ったのは1年弱ぐらいだったと思います。
—— 編集部 - スクエアではどんなふうに過ごされていましたか?
自立訓練の時にはゆったり自分のペースで過ごしていました。だいたい週3日〜4日程度通っていて、体力を戻しつつ自分が楽しめる活動をしていたという感じですね。クッキングやものづくりのカリキュラムをよく受講していました。また絵を描くことが好きなので、絵を描く時間として活動したり。心に栄養を取り戻せるような活動を多くしていたと思います。
就労移行支援に切り替えてからは、自分でも意識が変わって就職へ前向きになっていきました。看護学校へ進学したこともあって、昔から医療とか介護とか人の役に立つ仕事につきたかったんです。支援クルーと相談しながら、介護の仕事を目指すことにしました。
専門的な資格も欲しかったので、週1〜3日ぐらいは介護スクールに通って資格の勉強。そのほかはスクエアに通って、就職活動に必要な書類の作成やビジネスマナー、職場でのコミュニケーションについてを学んでいきました。
—— 編集部 - スクエアではどんなことが学べたと思いますか?
ひとつはビジネスマナーの電話対応です。あまり自信がなかったので、改めて学んだり何度もロールプレイングをすることで、自然に身につけることができました。今の職場ではひとり1台PHSを持って、情報共有や利用者さんのご家族と連絡を取ることがあるのですが、敬語や受け答えの仕方などスクエアで訓練したことが生かされているなと感じます。
もうひとつはコミュニケーションの部分ですね。カリキュラムとしてはグループワークや大人数で何か一つのことに取り組むような内容のものに取り組んだのが良かったのかなと思います。もともと人と接することは好きな性格なのですが、カリキュラムやスクエアでの活動を通して、一方通行にならないように相手の気持ちを考える練習ができたのかなと思います。
職場の介護施設を利用する利用者さんともコミュニケーションは必要ですし、職場での情報共有や人間関係も働く上で欠かせないので、スクエアである程度慣れておくことができてよかったなと思います。
障害や病気を公表して就職しようと思うようになった
—— 編集部 - 就職について支援クルーとはどんな相談をしていましたか?
就職活動をしながら、病気について公表するかどうかを相談させてもらいました。オープン(病気や障害について伝えた状態)にするのか、それともクローズ(病気や障害については伝えない状態)で就職活動をするのかとても悩みました。特に「精神障害」というところに、偏見やネガティブなイメージがある人は多いだろうなと。周囲の人に理解されないだろうなと思っていたんです。
でも、クローズな状態で実際に働いて、配慮をもらえずに体調を崩してしまうかもしれない。それは自分が一番困るし、就職した会社にも迷惑をかけてしまう。お互いにとって良くないんじゃないかなと思うようになりました。
しっかりと障害や病気のことを伝えて、助けてもらえるところは助けてもらいながら働こうと思ったんです。そこでスクエアでは「ナビゲーションブック」というのを作りました。自分の障害や病気の状況や会社側へ配慮してもらいたいことを伝えるツールです。
実際に今働いているところでもナビゲーションブックの内容を一緒に働く人に共有してもらって、さまざまな配慮をしてもらっています。
例えば、急な指示や予定の変更にすぐに対応するのは難しいので、一度メモを取りながら落ち着いて理解する時間を貰えるようにお願いしたり、緊張すると手先が震えたり体調に出たりするので、落ち着いた状況で業務に当たれるようにして頂いたりしています。ワンクッション落ち着く時間があるだけで、焦ったりパニックにならずに働くことができています。
本当は最後まで障害をオープンにすることに少し不安がありました。
でもいざ伝えてみたら、一緒に働く皆さんが優しく受け止めてくれたんです。介護職ということで理解がある環境だったのかもしれませんが、こまめに声かけをしてくださったり、休憩や体調について気遣ってくださったり、配慮もそうですが、それ以上に理解してもらえていることが嬉しかったです。
—— 編集部 - 就職されてどんなふうに生活が変わりましたか?
最初は週5日・4時間から勤務して、今はフルタイムで働けるようになりました。
身体はくたくただけれども、自分が頑張った分いろいろなものが返ってくるなと感じています。介護の仕事は利用される方との距離が近いので、感謝される場面が多いんです。面と向かって感謝の言葉をいただけると、認めてもらえたなと感じてもっと頑張ろうってやりがいにつながります。
あとは頑張った分お金が稼げるので、時々友人とリフレッシュに外に食事に行ったり、買い物をしたり、楽しみが多くなりました。経済的には余裕が出てくると、安心にもつながっていきますね。スクエアに通っていた時とは違う充実感を感じています。
いろんなチカラを借りて、まずは一歩踏み出してほしい
—— 編集部 - 同じ病気や障害をお持ちの方に、K.Mさんからエールをお願いします
双極性障害という病気になって看護学校にも通えなくなってしまって、本当に人生のどん底だと思っていました。すごく落ち込みました。特に私が病院に入院していた頃は、新型コロナウィルスが流行り出した頃で家族にも会えないし、孤独の中で過ごしていたように思います。
いま、そんな気持ちで過ごしている方がいるとしたら、ひとりじゃないよってことを伝えたいです。家族や友人がいる人はもちろん、病院の看護師さんやお医者さん、退院してからも福祉の方やスクエアのような場所だってあるから、諦めて欲しくない。
実際に私はスクエアに通ってサポートしてもらったことで、どん底だった状態から今の充実した状態までもってこれたのかなと感じています。
もっと他の人に頼っていいし、相談していいし、いろんな力を借りてまず一歩踏み出すことができると思います。
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ソーシャルスクエア の就労移行支援
ソーシャルスクエアが大切にしているのは、その人の特性にあった支援を行うこと。そしてそれをより実践に近い環境で行うことです。障害と一口にいっても、1人ひとり直面している問題や、目指したい課題はそれぞれ。ご本人の特性にあった支援を、ご本人と話し合いながらサポートさせていただきます。スクエアに興味を持って頂いた方は、ぜひお問い合わせ・ご連絡・ご相談ください。まずは見学、無料体験などの案内をさせて頂きます。
ソーシャルスクエア 水前寺店
〒862-0956
熊本県熊本市中央区水前寺公園3-4 土山天祐堂ビル2F
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